学部長ご挨拶

 「愛の油を注ぎ、もってこれを考えよ」

「一国の良心」ともいうべき人物を養成するために創設された同志社大学には3つの教育理念と5つの教育目標があります。3つの教育理念は「キリスト教主義」「自由主義」「国際主義」で、5つの教育目標は「高い倫理観と豊かな人間性の育成」「自治自立の精神と行動力の育成」「生涯を通じて社会に貢献する精神と行動力の育成」「国際社会に対応できる語学力と行動力の育成」「寛容な精神の育成」です。

経済学部はこのような大学の1学部です。経済学については、すぐに役に立つ知識の習得よりも、経済学的な考え方(経済的思考・分析能力)や論理(論理的思考能力)を学ぶことを重視しています。たとえば、1つの政策案があったとしましょう。その政策を実施すればどのような結果がもたれされるのか。人々が行動を変えるのか。政策はメリットとデメリットをよく調べてから実施する必要があります。最初の直接的なインパクト以外にも、たとえば、人々がその政策が実施されたためにどのように反応し行動するのかといったような、第2ラウンド、第3ラウンドの影響も含めてその効果を測る必要があります。経済学では、そういった波及プロセスを広く深く考え検証することが重要になります。また、経済学部では、プロセス重視、アウトプット重視であるプロジェクト的な活動を支援することなどによって、学生の皆さんが主体的に行動することを奨励しています。

校祖新島襄は次のように語ったと伝えられています。

「諸君よ、もし理論をもって是非を判別せんと欲せば、決して難かしきにあらざるなり。しかれども諸君よ、願わくばその理論に愛の油を注ぎ、もってこれを考えよ」

大学は人格形成の場でもあります。経済学を学ぶことは同志社以外の大学でもできるでしょう。教えられる内容はそれほど違わないかもしれません。しかし、その理論の内容を皆さんが考え、応用するときには、学んだ大学における人格形成と分けることはできません。幅広い教養や文化的素養などとも分けて考えることはできません。新島の言葉は経済学を学ぶ上でも心にとめておいて欲しいと私は考えています。

新島は東京に同志社大学を設立しようとは考えませんでした。若者が深く学び静かに考えるには京都が最適だと考えました。皆さん、私たちと一緒に千年の都、芸術・文化の伝統ある古都京都で経済学を学ぶとともに、良き友人をつくり、人格を形成しませんか。

受験生の皆さんへ
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