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学生ケーザイレポート(2017年度)

18/03/31

文化と地域から潜在的価値にアプローチする経済

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 私たちは、日本国内の地域経済の現状と今後のあり方について研究をした。地域経済の抱える問題を紐解いていくと、内外それぞれに原因があることがわかる。まずは外部環境の変化として資本移動のグローバル化がある。これまで地方が担っていた工業部門の優位性が減退している。また内生的な問題として従来の地域政策がゼロサムゲームに陥っていたことがある。マクロ的に見れば、減少トレンドにある人口や産業を各地域が取り合っている。
 このような現状の中で、日本国内の地域のあるべき姿とはどのようなものであろうか。そのヒントを滋賀県彦根市で見つけた。「彦根バルブ」である。この地域では江戸時代、武具の製作技術を応用した仏壇産業が隆盛を極めていた。さらに、明治になるとその仏壇産業の技術を生かし、当時急速に拡大していた紡績業の工場部品を供給した。このように彦根ではその地域独自の技術が連綿と受け継がれ、形を変えながらその時代にあったものを提供していた。現代においては、紡績業の工場部品の技術が流体制御技術となり一大バルブ産業地帯となっている。今後は、水インフラ産業を縁の下で支えるグローバルな企業群への展開が期待される。
 彦根バルブのように技術を確立することができれば、外部環境の変化にも耐えうるだろうし、むしろ資本移動の自由化は好機となる。このように日本国内の地域はまずその地域固有の技術を発見することが重要だ。その上でそれを需要に結びつけなければならない。需要がなければ、その技術はお金を生まないのである。それゆえ需要を無視したブランド化を進めることは高級なガラクタを作ることと同義であろう。ゆえに地域固有の資源をいかに成長市場へと結びつけるかが今後の地域の課題である。

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