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学生ケーザイレポート(2016年度)

17/03/31

生物多様性オフセットと代償ミティゲーション

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 私たちは生態系破壊の対策として用いられる「生物多様性オフセット」に注目し、沖縄県新港地区で現地調査をしました。新港地区では埋立ての際に絶滅の恐れがある希少種「トカゲハゼ」の保全を、生物多様性オフセットの考えに基づいて、人工干潟を整備することにより行いました。これは日本で数少ない実施例の1つであり、これを考察していくことは今後の日本における生態系保全を考える上でかなり意義深いものになると考えたため私たちは現地調査をしました。
 この学生プロジェクトでは2つの課題(①生物多様性オフセットによる行動が本当に生態系保全に貢献しているのか。②整備に関わるコストを考えたときに代償ミティゲーションは経済的に合理的な行動であるか。)をもとに沖縄県庁での取材、および現地での視察等を通し、新港地区のトカゲハゼの生息環境の現状を理解し、保全活動の効果について考察しました。その結果、①では人の手を加え続けている間、一定の効果があると考えることができました。しかし、沖縄県のトカゲハゼの事例においてはトカゲハゼの稚魚放流もオフセット同時に行っていたため、オフセットのみでトカゲハゼの生息数を回復させたとは断定できませんでした。②では沖縄県は累計数億円の投資によってトカゲハゼの生息地保全を行っていましたが、生息数が再び減少していることを考えると、トカゲハゼの生息地保全は経済的に合理的だとは言えません。しかし、生態系の保全を経済的合理性のみで測ることは不適切であると考えます。人間が経済活動を行う際、既存の生態系システムを破壊しないのが一番ですが、破壊の恐れがあるなら企業は代償ミティゲーションをはじめとする様々な環境配慮措置に資金を投入するべきだと考えました。
 以上の調査では私たちは事前に調べたものと現地で実際に目にしたものとは大きな乖離があり、先入観や勝手な想像、決め付けで研究を進めることの危険性を感じました。


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