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学生ケーザイレポート(2016年度)

17/03/31

文化芸術による地域活性化・国際交流の可能性

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 我々のゼミでは都市や地域の再生にいかに文化芸術が寄与しているのかをテーマにして研究している。ゼミ活動の一環として、昨年2016年が第3回の開催年ということもあり、瀬戸内国際芸術祭を調査研究することを決めた。芸術祭は規模や内容は異なるものの、現代アートをその中心として日本各地で行われている。芸術祭の歴史はまだ始まったばかりであるゆえに、統計的データ量の限界や、定まった分析手法が未だにないことは指摘せねばならない。概して文化や芸術に関する評価は、量的に測りにくい上にデータには残らない形で人々や地域に影響を与えていることを鑑みれば、経済学的なアプローチだけでは限界があることは自明であるように思われる。美術批評においては芸術祭に対して批判的なものも見受けられるが、地域創生という目的も多分にもち、外の自然空間において展示するという新たな潮流に対して、評価が追い付いていないに過ぎない。何よりも文化芸術がその地域の社会資本を高め、その魅力に地域内外の人々が気づくことで、停滞していた地域に新たな人の交流が生まれていることは明らかである。例えば、直島のように芸術祭が始まるより随分前からベネッセとの文化的な関係を築き、三菱ケミカルによる安定した雇用の確保された、文化芸術を受け入れる土壌が整っていた地域と、小豆島のように地場産業があるものの衰退しており、これから芸術祭を良い機会に再び盛り上げようとしている地域といった違いはあるものの、各々の地域にとっては多くの人々が交流する芸術祭をうまく活用していくという点では一致している。人々や地域がいきいきとしているから、結果的に移住者が増加するといった成果が生じるのである。地域の魅力を引き出し、人や自然、文化芸術といったソフトパワーに着目して活かしていく。そういう意味で、目に見えない関係性や成果を含め、地道にではあるが着実に積み上げ地域活性化を考察した。
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