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学生ケーザイレポート(2016年度)

17/03/31

企業家たちと関西革新の史的展開と実践化プロセス

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 本プロジェクトは明治大正から大大阪時代に活躍した企業家を研究した。取り上げた企業家は、五代友厚、初代・2代目伊藤忠兵衛、広岡浅子、小林一三の5人である。

 本プロジェクトの独創性は企業家個人について研究から大阪の経済全体を捉えた点だ。五代は大阪商法会議所・大阪株式取引所を設立し、明治維新を機に崩壊した近世大阪の経済制度を再定義、つまり制度を近代化した。伊藤忠兵衛たちの設立した伊藤忠商事はその制度を利用し、大阪の工業の国際化と高度化に寄与した。広岡はバンカー及びファイナンシャーとして保険(大同生命)と大胆な融資(加島銀行)によって企業家のリスク低減を支え、その積極性を失わせなかった。こうして所得が増加した大阪は小林によって消費都市へと変容させられる。彼は人のいるところに鉄道を敷設するのではなく、人の住む場所を新しく作り、鉄道の終点に消費地を選んだ(阪急電鉄)。この逆転の発想が大阪を消費都市へと変容させ、域内循環が活性化し、経済は発展した。これらを様々なデータを用いて実証した。
 一方で、現代において関西経済の成長が停滞している。その原因として既存の枠組み、すなわち以上の5人の企業家が構築した都市モデルが行き詰まっていることが考えられる。マクロ環境が変化する中で、現代版の明治維新を起こす必要がある。「そのために何が必要なのか」「どのようなプロセスを辿ればいいか」は前述の史的展開・プロセスの中に見ることができるだろう。

 これが簡単な研究内容の説明である。詳細については11月に行われた学術交流会「地域価値のための学生対話:関西とブカレスト」で報告した。ルーマニアのブカレスト大学と大阪府立大学近藤ゼミと私たち同志社大学西岡ゼミ合同で行った。質疑応答の中で新たな視点や疑問が明らかになり、とても有意義なものであった。

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