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専任教員紹介

河島 伸子 Nobuko Kawashima

研究テーマ文化政策の国際比較
研究室良心館462号室
演習(ゼミ)紹介文化経済
詳細研究者データベース(オリジナルサイト)
河島 伸子
多くの人にとって、「文化政策」という言葉は聞き慣れないかもしれません。また、文化とは人々が自発的に自然に創り出していくもので、政策の対象としてなじまない、と考える人も少なくないでしょう。私が研究しているのは、美術、音楽などのいわゆる芸術、あるいは放送やポピュラー音楽などの文化産業、文化・歴史的遺産などの文化が、どの様な社会・経済的条件のもとで生成・流通・消費されていくのか、ということです。したがって、政府による政策的措置に限らず、企業の文化支援や、産業としての文化の仕組みも興味の対象に入っています。

文化政策の面白いところは、これが矛盾に満ちていることです。まず、文化政策は、“質の高い”文化の創造を促すことを目標とするものですが、実際には、文化を“高尚な”ものと“低俗な”ものとに分類し、この二つの概念を固定化してきました。ポストモダン社会といわれる今日、このような文化政策が、どのように変化しなければならないのかは、大きな課題の一つです。また文化政策は、国民の文化活動への参加を促すことを重要な目標の一つとしています。しかし実際には、政府が支援する文化は、社会経済的に高い階層の人々に占有されがちであることで、よく知られています。

これまでの私の研究は、イギリスを中心とし、ヨーロッパとアメリカとを視野に入れてきました。フランスのように文化政策への国家的な取り組みを持つ国、アメリカのように民間のフィランソロビーと市場主義をとる国、スウェーデンのように社会福祉政策の一環としての文化政策を持つ国など、各国の歴史、社会、文化を反映したさまざまなタイプの文化政策があります。また、シンガポールのように、文化を観光と結びつけ、経済的戦略のための重要な資源と考える国もあります。イギリスはこれらの要素を複合して持つ、興味深い国です。

さて、日本の場合、イギリスのように産業革命が18世紀に起こり、社会的階級が早くに固定した国と異なり、明治維新と西洋化・現代化、二度の世界大戦、戦後の急速な経済発展など、さまざまな社会的変化をわずか130年の間に経験してきました。このため、文化の制度化と社会的階級との関係が、イギリスとは異なった、非常に複雑な様相を呈しています。私たち日本人にとって、今日普通に受けられている、例えば西洋古典音楽への支援は、どのように説明できるのでしょうか。

また、文化のグローバル化、デジタル化が進む今日、あくまで国民国家を前提とし、舞台芸術活動のような、主に再生不可能な芸術への支援を続ける文化政策は、どのように変化すべきなのでしょうか。このような問題に答えるためには、経済学のみならず、社会学などの理論を利用した、学際的なアプローチが重要です。文化そのものに関心ある学生の皆さんと、講義や演習を通じて一緒に考えていきたいと思います。

学生へのメッセージ

面白いと思った授業と先生には、どんどん食いついていって、自主的に勉強を深めるとよいと思います。

演習(ゼミ)

演習テーマ:文化経済

本演習では、芸術文化(美術館、オーケストラ、ダンスなど)及び商業的文化産業(デザイン、ファッション、映画、録音音楽、コンピューターゲームなど)の経済基盤を理解し、これらにおける創造性の育成や消費者におけるアクセスの問題といった政策的課題を考えていく。
2年次演習
本演習は、文化政策、文化産業論の概要の理解を目指すと同時に、政策分析と研究の基本的手法を身につけることを目的とする。2年次演習では、テキストによって文化政策の論点、基本的な概念などの理解を目指す。毎回、参加者はあらかじめ配布されたプリントなどを読んできて、与えられた質問にそった形でグループディスカッションを行う。3年次演習に入ったら、映画、音楽、美術、工芸、ファッション、デザイン、建築など、各自興味のある分野別のグループに分かれて、各産業における経済的問題点や産業政策上の課題などに関する独自の調査・研究活動を行い、ゼミで発表していく。各自卒業論文を仕上げることを最終的な目標とする。学生は、毎週与えられた文献を読み、課題に対する自分なりの解答を用意した上でゼミに参加する。ゼミでは、小グループに分かれ、課題に関する議論を行い、クラス全体に報告する、という形式をとる。
[履修条件]
ゼミ参加希望者は、何らかの文化活動に対する強い関心と、そこに対する「問題意識」を持っていることが必要条件である。ファッションや映画に興味がある学生は数多いが、それらの産業のどのような点に問題を感じるのか、どのような構造をどうすべきと考えているのか、といった意識を持った人を歓迎したい。
3年次演習
3年次演習1
本演習では、芸術文化(美術館、オーケストラ、ダンスなど)及び商業的文化産業(デザイン、ファッション、映画、録音音楽、コンピューターゲームなど)における、創造性の育成や消費者におけるアクセスの問題といった政策的課題を考えていく。ファッション、音楽などの分野によりグループを形成し、共同研究を行い、その結果をゼミで発表していく。本演習では、ファッション、音楽などの分野によりグループを形成し、共同研究を行い、その結果をゼミで発表していくものとする。
[履修条件]
3年次演習2
原則的に、3年次演習2にも引き続き参加するものとし、グループ発表を継続する。
[履修条件]
3年次演習1を履修していること。
卒業研究
各自が興味を持ったテーマにつき、研究調査をすすめ、論文を完成させる。中間報告会を通じて、お互いの研究についての理解を深め、議論の機会ももうけることとする。
[履修条件]
3年次演習の履修をしていること。

関連する科目

既修・併修を強く勧める科目
  • 文化経済

 
既修・併修が望ましい科目
 
 

関連する演習

 

学生による「私のゼミ紹介」

 
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