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専任教員紹介

西岡 幹雄 Mikio Nishioka

研究テーマ日英米の比較経済思想と社会政策、都市・産業集積の学説、近現代都市の経済構造の変遷
研究室良心館484号室
演習(ゼミ)紹介地域の発展とグローバル化時代の成長戦略
詳細研究者データベース(オリジナルサイト)
西岡 幹雄
企業や産業は、新製品・新技術・販売戦略、あるいはこれらを取りまくさまざまな要素や情報を統合し、できるだけ早く積極的に周囲の社会に働きかけようとします。そのために、これらは一定の地域に集まろうとし、その時代や活動範囲によって差が出てきます。

「昔」、昔わたしはみなさんと同じように、経済を勉強しましたが、そのとき資本家や投資家という専門用語は聞いても、企業家や産業活動などに影響を与える状況についてほとんど聞くことはありませんでした。経済学の基本的な教科書にも社会は同質的な消費者と企業から構成され、それらが自動的に満足される状態に達すると、それが経済にとって最適な状態であり、その後、それは安定的に推移するという内容が載っています。しかしながら、現実の経済・経営のトップがはたす認識とそれにもとづいた計画と統率力は、自動的な安定を前提にするのではなく、むしろ不安定さを予想して「機敏に」活動をしているのではないでしょうか?

むずかしい言葉でいえば、人が現実の経済・経営の「集まり」に参加すること自体、割に合うという期待があって、はじめてそこに加わる面が少なからずあります。つまり、参加する人・物・サービス・資金に関する情報のリスクを避けるため地域的な仕組みや組織への参加コストがこの社会には存在しており、さらにいえばそうしたパーフォーマンスの水準を上げていくためには、人々の間で共通な認識と知識、文化の確認、一連の行為に対するモラルの信頼性が重要です。

こうした社会的基盤(Knowledge-based Society)を配慮せずに、現実の経済・経営の発展はありえない。また社会経済が高度化するはずもありません。

今年のテーマは、持続的発展可能な社会を考えていく上で、簡単な指標を作成して、信頼の構造、社会メンバー間の協調と役割や人間・自然・もの・制度的な仕組みを比較できる仕組みを考えます。こうした問題について考えるために、社会構造それ自身が安定的な効率性を発揮できる基盤と基礎条件がどのようにすれば整えられるのか、そうした安定的な基準が設定できるのか。とくに政府については、これまでの経済学が強調してきた、企業・産業や個人に対して独自の第三の主体の役割とともに、多様な経済主体間の濃密な相互作用の「学習」を進展させ、それらが活性化する「場所や配置location」を吸引するための基礎枠組(社会インフラ)をになう重要な役割を果たしていることについて研究を進めたいと思っています。

演習(ゼミ)

演習テーマ:地域の潜在価値の発見とその付加価値活用

 なぜ企業や産業は、一定の地域に集まろうとするのか?そしてそれらの活動は時代や地域環境によってどうして差が出てくるのか?多様な産業と企業が地域と都市の活動にどのような影響を与えるのか、あるいは地域や都市のあり方が今日の多様な経済の展開をいかに支えているのかといった事柄について焦点をあてているゼミです。
 具体的には、地域のアメニティとブランド化(付加価値の持続と、地域の生活の快適さと働きとの結合による創造性)とがどのような社会的影響を生みだすのか、――つまり、地域・都市構造と機能の中から、憩いと働きの価値を見いだし、活力を生みだし、そして文化を創造していくための地域力・都市力の潜在性を発掘して、ダイナミックでイノベーティブな経済発展につなげていくことにこだわっているゼミです。
 ゼミでは、毎年、英語プレゼンテーションを行っています。今年の研究テーマは、(1) 文化戦略を加味した沿線開発と地域経済の潜在性、(2) 経済構造ヴィジョン転換と地域産業クラスターの創出:東京集中に代替可能な産業構成とそれにもとづく「関西(大阪)ルネサンス」の可能性、(3) 文化と地域から潜在的価値にアプローチする経済:滋賀以東の実証分析と新たな地域発展への提案、および(4) 文化、地域、そして女性に関連した経済理念と産業活性化、などを通じて、地域産業の各種データや調査分析、あるいは関連文献を研究しながら、高付加価値を生みだす産業構造や価値創造できる地域の可能性を探りたい。
2016年度のゼミ研究プロジェクトは、①地域価値のための学生対話:京都における潜在的付加価値、価値創造都市構造の探求と、②堺市の地域経済の現状と「堺」ブランド確立のための経済分析でした。いずれも「関西経済の活性化のための比較分析」をテーマに伝統と革新を代表する2つの都市構造の研究を通じて、現在、グローバル化が再編成される時期にあって、2つの都市がどのような位置づけにあるのか、あるいは今後の日本と世界の発展トレンドにどのように貢献するのか、といった視点から、分析と検証を行っています。                                                   
 とくに昨年から、国際交流基金の支援を得て、「地域ブランド創生学生フォーラム」を同志社大学有志とブカレスト大学有志(東欧、ルーマニア首都)との間で立ち上げましたが、今年は引き続きこの企画をブカレスト大学の皆さんと一緒に実行するとともに、新たに奈良女子大学や関西の公的諸機関に加わってもらい、研究事業「文化・地域とジェンダー」の実現に向けて尽力しています。
2年次演習
 2年次演習では、「地域の潜在価値の発見とその付加価値活用」を学ぶための基礎学習と、それに伴う実践的課題(データ分析や英文発信も含め)を研究します。地域の価値創造機能が日本経済に果たしていた役割を通じて、組織と人々がこれまでの地域のあり方や既成産業を変革しようとする試み、あるいは環境変化による、たとえば産業の空洞化や経営移転、研究・開発・事業化によるビジネス拠点の創造などの盛衰を通じて、地域・都市・産業・企業がどのような“つながり”(ネットワーク)をもつのかに関心を寄せます。
 とりわけ、グローバル化での関西経済社会の位置づけ、今後の関西の発展の起爆になるイノベーションと価値創造の可能性に参加できる機会、あるいは国際交流を通じたそれぞれの地域の潜在性が見出せる機会を皆さんともちたい。
 ゼミの目標は、History (His+Story) *Heart Story (Her+Story)、すなわち「心のこもった自分の『物語』を語るためのゼミ!」を通じて、「実践なき思想・分析は空虚である。思想・分析なき実践は無謀である」とともに、「夢・物語なき勉強は空虚であり無駄である」、そんなことが語ることのできるゼミをめざしています。

[履修条件]
■2つの外国語もしくは情報言語(英語/ドイツ語/フランス語/スペイン語/ロシア語/中国語/ハングル/情報言語)の成績を選考材料とする。
△2年次演習関連科目-26(世界と関西経済の実践的解明・基礎編) [PDF 188KB]
3年次演習
 2年次演習に引き続いて、地域の潜在性はどこまで表現できるのか、地域がもつ付加価値の大きさと持続、企業・産業のネットワーク、あるいは持続安定的な経済社会の発展モデルを考えます。関西発の「潜在価値の再発見とその付加価値の展開」と、マクロ的な財政・金融政策・成長/構造改革戦略との整合性を検討し、大阪/関西地域においても、成長循環サイクル、そしてそれによる文化・地域・経済への波及性につながるメカニズムを探ります。
 とくに、経済統計の考え方から導き出される(1)定量的分析と、経済学説・関西の文化と歴史・インタビューによる経営現場などに代表される(2)定性的分析を組み合わせて、地域の産業の競争優位による地域の持続的な成長のための「特化」と産業を検証します。
 このような研究と分析を通じて、History (His+Story) *Heart Story (Her+Story)、すなわち「実践なき思想・分析は空虚である.思想・分析なき実践は無謀である」ということをゼミの究極目標として、関西の有休資源と資産を有効に利用するメカニズムを創造し、そのメカニズムが実現した際の有用性と波及性に取り組みたいと思っております。
 基本的には、まず、4月/5月/6月段階では、2年次演習の成果をもとに、歴史・政治・文化などの関西の基礎知識と地域の競争優位を確保する経済学説および地域の潜在価値とその付加価値活用にかかわる各種データ・調査分析を行い、7月頃から(インタビュー調査、事例収集、ネットワーク分析、数理統計分析などを駆使して)、実証分析を行います。そして11月中旬と12月初旬に他大学・公的諸機関との交流・合同ゼミ(当面は「地域ブランド創生学生フォーラム」の中でブカレスト大学有志や,奈良女子大学・大阪府立大学や関西の公的諸機関ともに、「地域価値のための学生対話:文化・地域とジェンダー」の実現をめざして)、その成果を英語で発表します。
最終的には、今後の方向の基調となりえるような世界発信を念願にしているため、2月初旬には英語論文ができるよう努めていただきたい。そのために、データや統計・図表の意味と分析、プレゼンテーションのための情報機器の活用とともに、国際地域・産業・集積にかかわる、数値目標、経済価値評価や効果の(1)定量的分析および(2)定性的分析を積極的に図りたい。


[履修条件]
○3年次演習関連科目1-26(世界と関西経済の実践的解明・応用編) [PDF 188KB]
卒業研究
各人の設定した卒業研究テーマについて、以下のステップを踏んで、論文作成作業を行います。
春学期
  1. 卒業研究テーマについてのプレゼンテーション(情報機器を利用したデータや社会経済統計・図表分析を含む)
  2. 卒業研究テーマに関する基本文献と研究文献(個別に指定する)の報告
  3. 卒業研究計画書の提出
秋学期
  1. 夏季レポート報告
  2. 卒業研究中間報告
[履修条件]
担当者の卒業研究を登録すること。

関連する科目

既修・併修を強く勧める科目
  • 現代経済思想史
  • 日本経済思想史

 
既修・併修が望ましい科目
 
 
履修を勧める2年次演習関連科目
履修を勧める3年次演習関連科目

関連する演習

学生による「私のゼミ紹介」

「個性あふれる西岡ゼミ」

 「個性的」。この言葉が2015年度の西岡ゼミを言い表すのにぴったりな言葉だと思います。私たちは「関西経済GRPを向上させるには」を大きなテーマとして、他国・他地域と関西産業構造を比較する「比較分析班」と堺市の観光業を主とした関西成長牽引産業を研究する「要因分析班」の2班に分かれて研究を進めてきました。
 本研究では産業連関表などの経済統計を用いた定量的分析に力を入れ、自主的にゼミ員で勉強会も行いました。10月に参加した他大学との合同ゼミの発表ではデータに基づいた説得力のある発表ができたと思います。また、研究以外の活動でも合宿や懇親会を行ったりとゼミ内の結束力を高めることができました。
 勉強が得意な人が研究を引っ張り、催し事が得意な人が交流の面でゼミを引っ張るという、それぞれが個性を発揮し然るべき役割を担うことで、1年半充実したゼミ活動を行えました。今後はそれぞれが社会で個性を生かして関西・日本経済に貢献していければと思います。

<『同経会報NO.78』から転載>

西岡ゼミ2012年度プロジェクト成果
FINE-TUNING THE OSAKA METROPOLIS PLAN:
REVITALIZING THE OSAKA AND KANSAI REGION, AND PLANNING AHEAD [PDF 564KB]


大阪都構想の検証と大阪・関西圏の未来予想図の提案

2014年度中成果
マーシャルの産業集積論から考える地域産業の活性化 [PDF 344KB]

2016研究事業「地域価値のための学生対話:関西とブカレスト」
Search for potential value and for structure of city creating new value
in Sakai city [PowerPoint 963KB]

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