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専任教員紹介

横井 和彦 Kazuhiko Yokoi

研究テーマ中国における「新常態」と都市「単位」社会の変容
研究室良心館563号室
演習(ゼミ)紹介経済発展の日中比較―中国経済・企業の行方
詳細研究者データベース(オリジナルサイト)
横井 和彦
 私は、中国の「新常態」に向けた国有企業改革と、それにともなう中国の都市「単位」社会の変容を調査・研究することによって、改革や中国経済の減速による都市住民の生活・雇用・老後等に対する不安とリスクを軽減するうえで国家(政府)によるセイフティー・ネットを含む所得再分配政策と市場機能(企業)がどのように役割分担されているのかを明らかにし、中国共産党や政府の言う「社会主義市場経済」の実態を解明しようとしています。
 これまでの国有企業改革についての議論は、その「好調」さ(「国進民退」)をめぐっての議論、すなわち国家資本主義論や「中国模式(モデル)」論、「北京コンセンサス」など、企業・経営に集中しており、そこで働く人びとの視点が欠けていることから、現地調査等をつうじてそれを補うことをめざしています。
 厚生労働省の発表によると、日本の2015年10月1日(9月末)時点の大学卒業予定者の就職内定率(就職希望者に対する就職内定者の割合)は66.5%で、前年同時期と比べ1.9%悪化したことが明らかになりました。厳しい国際競争にさらされている企業は、厳選したうえで学生に内定を出す姿勢を強めています。
 他方、厚生労働省が発表した、「就業形態の多様化に関する総合実態調査」によると、パートや派遣など、いわゆる「非正社員」が占める割合が、初めて全体の40%に達しました。とりわけ15~24歳の若者の非正規比率が急激に高まっています。いわゆるフリーターの増加を裏づけています。年収が200万円に満たない、いわゆる「ワーキング・プア」も増加しています。
 このような状況は、中国でも同じです。中国では大卒者がどんどん増えており、2015年には750万人に達しました。「蟻族」と呼ばれる、大学を卒業しながら低賃金の職にしか就けず、大都市近郊の家賃の安い場所に集まって暮らす若者が急増しています。大卒生の就職難が続き、学生の「ネット販売」に乗り出す大学が現れるほどです。『新京報』によると、大手ショッピングサイト「淘宝網(タオバオ)」に、就活中の大学生をプロフィール付きで掲載し、中国国内外で話題になっているというのです。店名は「昆明学院人材ショップ」。雲南省昆明市の大学、昆明学院が運営しているそうです。同大学幹部の話では、同大学を7月に卒業する新卒の就職内定率が52%にとどまり、例年よりさらに悪化したため、就職支援の一環としてこの新たな試みを打ち出したということです。
 また、中国の就業人口約3億人のうち、派遣労働者は約5分の1の、約6000万人に達するとみられます。
 このように多くの若者にとって、就職難や低賃金など、問題の本質は、日本と中国で同じなのです。日本では、中国人に対してよい印象を持たないばかりか、敵視する人さえ増えていますが、よく見てみれば、双方とも若者は同じ立場に追いやられているのです。

学生へのメッセージ

諸君よ、もし理論をもって是非を判別せんと欲せば、決して難しきにあらざるなり。しかれども諸君よ、願わくばその理論に愛の油を注ぎ、もってこれを考えよ。(森中章光編『新島襄 片鱗集』より)

演習(ゼミ)

演習テーマ:経済発展の日中比較―中国経済・企業の行方

 中国は世界第二位の経済大国となり、「世界の工場」、世界一の貿易大国などと言われますが、実は、工業生産の約4分の1、輸出では半分近くが、日本などの外資系企業によって生産されたものです。これは、中国の経済発展が、経済の「グローバル化」によってもたらされたものであるからです。経済の「グローバル化」とは、国と国との間を資本(=企業)が移動することを指します。
 これに対して日本など、これまで経済発展をとげた国の多くは、経済の「国際化」によって発展しました。国と国との間を行き交うのは、基本的に商品としての財と、その代金としてのお金だけでした。
 この違いは、かつての日本の円高が急激であったのに対して、今日の元の切り上げが緩やかなことに象徴されます。かつての日本は、日本企業が日本国内で生産した財を商品として欧米へ輸出していました。そして日本の輸出が増えて貿易黒字が大きくなり、貿易摩擦が激しくなると、欧米諸国は円を切り上げて日本企業の製品の価格が高くなるように仕向けました。困るのは製品の価格が上がって売れなくなる日本企業だけでした。だから円高は急激に進行したのです。
 一方、中国の輸出が増えていると言っても、実態は中国企業の製品の輸出が増えていると言うよりは、中国に進出した日本や欧米の企業の製品が輸出されているのです。したがって、元が切り上がって製品の価格が上がって困るのはむしろ日本や欧米の企業なのです。
 では、経済発展の背景が違うと、実際の経済発展にどのような影響があるのでしょうか。日本の経済は、日本企業が円高の下でも、より低価格、しかも高性能・高品質で魅力ある製品を開発し、輸出することで発展しました。円の切り上げでは貿易摩擦は解決しなかったのです。こうしたことから日本企業は日本国内で生産して欧米に輸出するのではなく、欧米で生産するようになりました。日本経済の「グローバル化」の始まりです。では経済の「グローバル化」の下で発展する中国の場合、企業はどのように行動し、経済はどのように発展するのでしょうか。
 このように日本の経済発展との比較から中国経済をとらえることが、この演習の目的なのです。

2年次演習
田代秀敏『中国経済の真相』(中経出版)を手がかりに、筆者の言う「通説」と「真実」を検討しながら、既存の経済学の視点だけでは現在の中国経済を正確にとらえることができないことを学びます。
上海理工大学社会工作学部・徐栄ゼミとの交流を予定しています。
[履修条件]
3年次演習
春学期には三橋貴明『日本経済は、中国がなくてもまったく心配ない』(WAC)を手がかりに、既存の経済学の視点だけでは現在の中国経済を正確にとらえることができないことを学びます。
秋学期にはJapan Network of Virtual CompaniesのVC運営ガイドブックを手がかりに、対中ビジネスのバーチャル・カンパニーを立ち上げ、商品アイデア・企画書・資金計画・広告をまとめた仮想事業報告を名城大学経営学部・田中武憲ゼミとの合同ゼミとして行うことを目指します。
[履修条件]
卒業研究
中国経済に関するテーマで卒業研究をまとめようと考えている学生を対象とします。
春学期は、卒業研究のテーマを設定するための時事学習と論文の書き方を学びます。
秋学期は、卒業研究計画書の作成・発表(個人・グループ)と、それを発展させた中間報告(個人・グループ)を行い、卒業研究を執筆します。
[履修条件]

関連する科目

既修・併修を強く勧める科目
  • 経済学の歴史
  • 中国語で読む経済と社会(初級)(中級)
  • 中国経済史

  • 中国経済
  • 経済史
  • 新語で読み解く現代中国経済

既修・併修が望ましい科目
  • アジア経済
  • アジア経済史

  • 政治経済学1・2

関連する演習

 

学生による「私のゼミ紹介」

 私たちで横井ゼミは11期生となりますが、代々の先輩たちが口を揃えて言うことが一つあります。それは先生の人柄の良さです。横井先生はどこのゼミよりも学生に近い立場に立ってゼミを運営してくださっており、言い換えれば私たちの主体性で成り立つようになっています。学生目線で物事を考えて下さるのでとても親近感がわき、やる気が出てきます。毎週、ゼミ終わりに開かれる飲み会では熱い話や恋の話など、たくさん面白い話ができ、親交を常に深め合っています。
 また、授業中は真剣に中国経済について考え、あえて教科書を否定的な観点から考察することで、中国経済の良い面と悪い面を学ぶことが出来ました。3年次秋学期には、名古屋まで行き、名城大学と交流ゼミを行いました。対中ビジネスバーチャルカンパニーを設立し、実際に自分たちで起業し、企業を運営するための過程を学び、発表しあいました。ONとOFFがはっきりしており、メリハリがあるゼミです。
 先生は学生を心から愛し、学生は先生を心から愛す。そんな最高なゼミが横井ゼミです。
(西村 恒亮)
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