こちらに共通ヘッダが追加されます。
  1. 経済学部/経済学研究科ホーム
  2.  > 教員の現代経済ウォッチング
  3.  > Vol.1 経済学って、何をやるの?

教員の現代経済ウォッチング

Vol.1 経済学って、何をやるの?

同志社大学経済学部のホームページにお越しいただき、ありがとうございます。4年ぶりの改訂に当たり「現代経済ウォッチング」というコーナーを新たに設け、教員が日頃考えていることをエッセイ風に著すことにしました。ご愛顧のほど、よろしくお願いします。

さて、記念すべき第1回目は、経済学とは一体どういう学問なのかという問題について私なりの考え方を披露することにします。経済学という言葉は、慶応大学の創始者である福沢諭吉によりeconomy の訳語としてつくられたものであり、中国の古典の「経世(国)済民」(世(国)を治め、人民を救う)を拠り所としています。ただし、経済という言葉が広く使われるようになったのは第2次世界大戦後のことであり、それ以前は理財、財界という言葉が利用されていました。
鹿野 嘉昭

鹿野 嘉昭

Economy の語源はギリシャ語のοíκος(オイコス、家という意味)に求められます。この場合、家はギリシャ時代の共同体・都市を指し、都市財政をどのように管理・運営するかを議論することが経済学の使命となっていたのです。このように、洋の東西を問わず、経済学は宰相のための学問として生まれ、成長してきたということができます。

もっとも、経済学に期待される課題は国により、時代により異なります。古くは、国家財政をどう切り盛りするか、政府は民間の経済活動にどうかかわるべきか、などでした。経済学の父と称されるアダム・スミスは重商主義が支配的な世界のなかで、国家は民間の経済活動に干渉すべきではないとして自由放任を説きました。マルクスによる資本主義批判は、産業革命の進行とともに拡大した経済的不平等の解消を目指したものでもありました。ケインズは、景気の安定化措置としての財政金融政策のあり方を議論しました。

このように経済学は、国家と経済活動とのかかわりについて研究することを目的としています。ただし、どういったトピックを対象として議論するかは論者によって異なりますが、方法論的には、(1)理論的に分析する、(2)制度面から考える、(3)歴史的な視点から検討するという3つのアプローチがあります。すなわち、現実の経済問題を整理し、理論、制度あるいは歴史的な視点から分析する。これこそが経済学であり、知的刺激にあふれています。われわれと一緒にそうした作業を行い、経済学の面白さ、楽しさを味わってみませんか。

鹿野 嘉昭鹿野 嘉昭
専任教員紹介
.