学部長ご挨拶

皆さん、ようこそ経済学部へ

 いきなりですが、経済学とはどのような学問だと思いますか?

「経済」学ですから、当然「経済」を研究する学問ということになります。では「経済」とは何でしょう。「経済」という言葉は毎日のように聞く言葉だと思いますが、その意味や内容をご存じですか。経済学を考える前に、経済という言葉について考えてみましょう。
経済という言葉を辞書で引くと、いくつか説明がでてきますが、ここでは二つ取り上げます(いずれも広辞苑第6版より)。一つは、経済の語源である経国済民(もしくは経世済民)から来ており「国を治め人民を救うこと」とあります。つまり経済という言葉は人々の幸せと関係しているのです。そして、もう一つは「人間の共同生活の基礎をなす財・サービスの生産・分配・消費の行為・過程、ならびにそれを通じて形成される人と人との社会関係の総体」と説明されています。実は現実の人や組織の行動のほとんどは、この説明にある生産・分配・消費の3つのうちのいずれかに分類することができます。また、人や組織が活動すると関係性が生み出されます。例えば、人が買い物をするという消費活動をすれば、それに対して、スーパーなどが販売するという生産や分配活動を行います。そうした活動によって、お客さんとお店の売買関係が形成されることになります。この二つ目では、そうした活動や関係性をひっくるめて、それが経済だと説明しているわけです。少し大胆にまとめると、「人や組織の行動と、その結果すべて」=「経済」と言えるのかも知れません。
 これら二つの意味を踏まえて、最初の問いに戻ると、経済学とは、人々を幸せにするための、人や組織の行動、そこから生み出される関係性を研究する学問ということになります。人や組織の行動や関係すべてが経済学の研究対象となるので、その範囲は無限に広がっています。また研究対象だけでなく、経済学の研究方法も多岐にわたります。
 ですから経済学部では、自分が興味を持っているテーマを研究することができます。今はまだ、興味を持てるテーマがなくても、経済学部での学びを通じて見つけることができるはずです。とはいえ、お話しした通り、経済学の領域は非常に広いことから、本学の経済学部では、学生が興味のあるテーマを見つけ、円滑に研究を行うことができるように、学修系統を「理論経済学」「応用経済学」「経済政策・環境経済」「グローバル経済・経済史」「経済統計学」「経済学説・経済思想」「経済情報・情報システム学」の7つにまとめ、きめ細かなカリキュラムを用意しています。
 コロナ禍による社会生活の変化、地球温暖化をはじめとする環境問題、ICTやAIなどに代表される急速な技術進展、そして少子高齢化による人口問題など私たちの社会・経済は、今、大きく、かつ急激に変化しています。そのような変化が人や組織の行動にどのような影響を及ぼすのか、そしてどのような関係をもたらすのか、我々の目の前には明らかにされていないことが数多く存在します。これらの問いにアプローチする学問として経済学はとても有効です。ぜひ経済学を駆使して、一緒に研究していきましょう。

miyamoto gakubucho
同志社大学経済学部・経済学研究科長
宮本 大