井原 悠至

専任教員紹介

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井原　悠至　IHARA Yuji

株式のようなリスクのある資産は、国債に代表される無リスク資産に比べて、リターン(利益)が高い傾向にあります。この差はリスクプレミアムと呼ばれ、投資家にリスク資産へ投資するインセンティブを与えます。

経済学には、このリスクプレミアムが理論的に予測される値を大きく上回っているという謎があります。一般的なモデルでプレミアムは1%未満であると予測されていますが、実際には平均して6%程度の高い値が観測されています。このように高いプレミアムは伝統的な経済学のモデルでは説明が困難です。また、この現象は特定の市場や時代に限定されず、日本を含む世界の多くの国々で確認されています。私はこの問題についての研究をしています。

この問題の解決に向けて市場の不完全性や消費の習慣形成、心理学的な要素など多方向からモデルを改良することが試みられていますが、完全な説明にはまだ到達していません。この謎を解き明かすことは投資家の行動、リスクとリターンの関係、資産価格の決定メカニズムなど、金融市場への理解を深めることにつながります。

学生へのメッセージ

受け身で講義を聞くだけではなく、関心を持った分野について自分から積極的に調べたり考えてみましょう。そうすることで学んだ知識をより深く自分のものとして吸収することができます。