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宮澤 和俊

専任教員紹介

宮澤 和俊 MIYAZAWA Kazutoshi

宮澤 和俊
研究テーマ 人口経済学、公共経済学
研究室 良心館466号室
演習(ゼミ)紹介 財政学,公共経済学,人口経済学,家族の経済学
詳細 研究者データベース(オリジナルサイト)

少子高齢化という急激な人口動態変化にどのように対処すべきか、豊かさを実感できる高齢社会とはどのような社会か、そして目標達成のためにはどのような政策が必要か、という問題は先進諸国が共通に抱えている問題の1つである。

こうした問題を解決するためには、少子高齢化がなぜ起こるのか、まずその要因を究明し、次に、どのようなしくみで経済に影響を及ぼすのかを理論的に分析する必要がある。

たとえば、医療技術が進歩し寿命が延びることは、それ自体、豊かさの象徴である。しかし、高齢期の所得をどのように保障するのか、医療や介護の費用を誰がどのくらい負担するのかなど、さまざまな問題も生じてくる。

少子高齢化を経済学の枠組みで分析するには、ミクロとマクロという複眼的な視点が必要だろう。ミクロ的視点としては、家族を経済主体として出生や婚姻行動などを分析する家族の経済学を応用する。マクロ的視点としては、直接的には、労働供給の変化にともなう労働市場への影響がある。また、人口規模や人口構成が変化すると総貯蓄も変化するため資本市場にも影響を及ぼすだろう。

労働生産性への影響も無視できない。少子化にともない労働人口が減少すると、そのままでは国民所得水準が低下する。所得水準を維持さらには上昇させるためには、個々の労働者の技能を引き上げる必要がある。少子高齢化が労働生産性を改善する方向に作用するのかどうかは議論の余地がある。

既存の年金、医療、介護、雇用保険などの社会保障が現在の少子高齢化に対応した制度なのかどうかも大きな問題である。少子高齢化の要因分析とその経済効果、そして既存制度の評価を総合的に研究することにより、解決の糸口がみえてくるだろう。

学生へのメッセージ

どうすれば幸せになれるのか、どうすれば世代間の利害対立をなくせるのか、政府は何をすべきか、といった問題の解決策を皆さんと一緒に見つけ出しましょう。明晰な判断力と思いやりの心があれば大丈夫。

演習(ゼミ)

演習テーマ:財政学,公共経済学,人口経済学,家族の経済学


 私の研究のキーワードは,公共,人口,家族です.たとえば,少子高齢社会は何が問題なのか,(経済学の文脈での)家族の役割は何か,政府はどのような政策をおこなうべきか,といった大きな問いの中から,小さな問いを取り出してきて,その答えを論文にまとめます.ゼミの研究テーマや研究方法もだいたい同じです.
 「2年次演習」では,データや資料を集め,報告資料を作成し,調査報告および質疑応答をします.データからresearch questionを見つけるのが目的です.
 「3年次演習」では,卒業研究に向けて実証分析の手法を学びます.理論分析については,私が担当する「財政1」「財政2」で学んでください.
 「卒業研究」の目的は,卒業論文を提出することです.卒業論文とは何か? 私の解釈では,先人の知見を理解したうえで,something newを述べることです.Google Scholarにある「巨人の肩の上に立つ」ことです.難しそう? でも,ゼミ生を見ていると,2年半あれば大概のことはできるようです.

2年次演習

下記の研究分野に関する調査・報告・質疑応答をおこなう.
財政学,公共経済学,人口経済学,家族の経済学


[履修条件]

3年次演習

下記の研究分野に関する実証分析の手法を習得する.
財政学,公共経済学,人口経済学,家族の経済学

「実践・公共経済学」をテーマとして,学生プロジェクトに参加する.
関西学院大学とのインターゼミに参加する.


[履修条件]
原則として,「2年次演習」の単位取得者に限る.

卒業研究

下記の研究分野に関する論文を提出する.
財政学,公共経済学,人口経済学,家族の経済学


[履修条件]
原則として,「3年次演習1,2」および「財政1,2」の単位取得者に限る.

関連する科目

既修・併修を強く勧める科目
  • 初級ミクロ経済学
  • 初級マクロ経済学
  • 財政
既修・併修が望ましい科目
  • 統計
  • 経済数学
  • 公共経済

関連する演習

学生による「私のゼミ紹介」

 皆さんこんにちは.私たち宮澤ゼミでは,3回生17名と,中国からの大学院生1名で活動しています.公共経済学をテーマとして理論分析と実証分析を学んでいます.理論分析では,宮澤教授と焼田教授の共著である「財政学」を輪読しながら学びを深めています.難解な部分は宮澤先生に補足説明をしていただきながら理論を学んでいます.
 実証分析では,都道府県やOECDのデータを用いて,少子高齢化などの社会問題を引き起こしている原因は何なのかということについて,Excelで回帰分析を行っています.
 さらに学生プロジェクトでは,「京都水族館」や「京都の民泊」を盛り上げるために有効な解決策を模索する活動を行なっています.今年はコロナの影響で,ディベート大会やゼミ合宿を行うことが出来ませんでしたが,zoomを活用しながら活動を行いました.
 このように宮澤ゼミでは,京都の街や文化に触れながら公共経済学の知見を深め,全員で成長できることを目指しています.

田中凛太郎(2021年度3回生)
(2022年度同経会会報より)