こちらに共通ヘッダが追加されます。
  1. 経済学部/経済学研究科ホーム
  2.  > 教員インタビュー
  3.  > 教員インタビュー(2014年9月17日)

教員インタビュー

第2回~第4回は教員&高校生の座談会形式で開催。
経済学部の教員と高校生が語り合い、身近なテーマから経済学をひも解いていきます。
教員インタビュー

【第3回】インタビュー実施日/2014年9月17日

宮本先生と学生

■ 経済学とは何かを考える

宮本:
みなさんは、経済学にどんなイメージを持っていますか? 多くの高校生が経済学とは「お金について勉強する学問」だと思っています。たしかに「お金」も分析対象ですが、それがすべてではありません。

学問は、知識欲を満たすためだけにあるのではなく「人々や社会を幸せにする方法」を考えることでもあります。ところで、みなさんは経済学の「経済」という言葉の意味はご存知ですか?
インタビュー1
岩井:
「経世済民」、「世を経(おさ)め、民を救う」という意味です。

宮本:
よく知ってますね。世の中のシステムを作り人々を幸せにする、ということですね。
あとは…「経済的」という言葉、どんな時に使いますか?

竹中:
お金の節約をしたりするときですか。

宮本:
そうですね。節約というのは少ない資源をいかに効率的に使うかということ。この少ない資源を使って、お金や時間などの制約がある中で、人々を幸せにする最も効果的・効率的な方法を考えるのが「経済学」です。
「人々」とか「社会」というと、自分とは関係なさそうな気がしませんか? ところが「社会」は個人の集合体。みなさんひとり一人ももちろん含まれています。つまりみなさん自身が、生活上の制約のなかで、いかに幸せに生きるかを考えるのも経済学の目的のひとつです。

■女性のキャリア選択



進学する就職する結婚する出産する
島名
岩井
竹中
インタビュー2
宮本:
今日のテーマは「女性のキャリア」です。労働経済学が考える、女性の人生の大きな岐路は進学、就職、結婚、そして出産・育児。これについて、現時点でのみなさんの考えを表にしてみました。意思決定の背景を聞いてみましょう。島名さんは、なぜ進学を選びましたか?

島名:
旅行が好きなので旅行の勉強をしたくて。幅広い知識を持っているほうが旅行を楽しめるし、将来就職する時にもその知識が役立つと思うからです。

宮本:
「楽しい」という言葉は「幸せ」につながりますね。単純に言えば、人々が行動する背景には「幸福になりたい」という気持ちがあるのです。竹中さんは、進学先の大学を決めていますか?

竹中:
すごく音楽が好きなので、同志社女子大学の音楽学科を検討していました。でも、将来を考えると、音楽は趣味で終わってしまう気がして同志社大学を選びました。

宮本:
他大学との比較をして選択したのですね。ここが経済学の二つめのポイント、いくつかの情報を「比較」してより幸せになるほうを選択するということです。そして三つめは、さきほど話した「制約」。たとえば、結婚する相手に「結婚したら仕事を辞めてほしい」と言われたらどうしますか?

竹中:
説得して仕事をします。ただ、あまりにも頑固で、私の話を聴いてくれなかったら結婚するかどうかもう一度考えます。

宮本:
「結婚相手の意思」という「制約」ですね。他にも「時間」や「お金」が制約になる場合もあるでしょう。「出産」についてはどうでしょうか。岩井さんは「○」をつけておられますが、もし、岩井さんのお仕事が非常に順調で忙しくなったときに「子どもをどうしようか」という話になったらどうしますか?

岩井:
子どもを生む時期は考えないといけないと思います。結婚相手が協力的なら子育てと仕事を両立できるかもしれません。
宮本:
この場合の「制約」は「夫婦ともに仕事が忙しくて時間がない」ということです。行動の選択の基準は「幸福」でした。そしてもっとも効率的な選択をするためには選択肢の情報を「比較」しなければいけません。しかし、選択にあたっては「制約」に直面することになります。キャリアを考えるには、この三つの要素を考えていくことが不可欠なのです。
教員インタビュー

■ 女性のキャリアと経済学

宮本:
女性のキャリア選択においては、みなさん自身の考え方や個人的な資質も大きく影響します。たとえば、仕事を通して社会貢献することに喜びを感じる人もいれば、家庭に入って夫のサポートを通じて社会貢献することに喜びを感じる人もいます。

そして、女性のキャリア選択において一番問題になるのは社会的な要因です。国際的に見て、日本は「男が働いて女性は家庭を守る」という考え方を持つ人が多い男性社会です。男性社会では、産休や育休などのサポートが不十分です。育児休暇制度など、女性が働きやすいように社会制度が整っているかどうかも、女性のキャリア選択を大きく左右するでしょう。

島名:
男性から見ると、経済学を勉強していて女性の問題ばかりを取り扱わなければいけないことに違和感はないのでしょうか?

宮本:
それはないですね。少子高齢化が進むなか、日本の労働市場では働き手としての女性が求められています。しかし、女性が安心して働ける社会制度は充実していません。僕自身は、女性に負担をかける政策が多いなと思っています。「男性社会をどう変化させれば、より女性は幸せになれるのか」を考えることも、実は経済学の仕事になるのです。

経済学のなかには、もちろんさまざまな経済現象についての話も出てきます。しかしその現象の背景にある要因や理由がなんなのか、どうしたらより幸せになるのか、そのメカニズムを考えるのも経済学です。単に経済現象を学ぶのではなく、理由や要因、幸せになる方法ってどんなものなのかを考える「経済学的な考え方」を勉強してほしいなと思います。

岩井:
経済学というと「お金」のイメージが強かったのですが、社会現象を考察したり、幸福になるために効率的に選択をしていくという考え方が新鮮でした。
竹中:
経済学部を視野に入れていましたが、苦手な数学がネックになると考えていました。今日のお話を聞いて、経済学はお金のことばかりではないし、すごく面白い学問だなと思いました。

宮本:
今日は、みなさんとお話できて楽しかったです。僕も、女性のキャリアについて社会に提言できる研究者になれるようにがんばらなければと思います!
インタビュー4
colum
.