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教員の現代経済ウォッチング

Vol.16 高齢社会の定年

先月、敬老の日にちなんで総務省が高齢者人口の推計値を発表しました。それによると、65歳以上の高齢者人口は2819万人、総人口1億2771万人に占める割合は22.1%となり、70歳以上は2017万人と初めて2000万人を超えました。そもそも日本の平均寿命は1950年代には先進国の中で最低であったものが、急速に延び、1980年代には最長寿国となりました。2007年の日本人の平均寿命は女性85.99歳、男性79.19歳と過去最高を更新しており、今後は更に延びると予測されています。

日本がこのような長寿国になったということは世界に誇るべき成果です。しかし一方で、高齢者を支えるという観点からは、急速な高齢化が大きな負担となっていることも皆さんご承知の通りです。
茂見 岳志

茂見 岳志

厚生年金受給開始年齢は60歳から65歳へと引き上げられ、雇用者側は、定年年齢の65歳までの引き上げ、65歳までの継続雇用制度の導入、定年の廃止、などの措置を講ずることが義務化されました。そもそも定年という制度は明治期にはじまるそうです。それ以来、多くの企業で55歳定年であったものが、高度成長期を経て60歳定年が主流となり、そしていま、65歳定年、さらには70歳定年や定年廃止が議論されています。1950年の平均寿命は男女とも60歳程度でしかありませんでした。寿命の延びを考えれば、いち早く65歳定年を定着させ、その先を見据える必要があると思うのですが、どうでしょうか?

効率性の観点からいえば、働く意欲、能力がある労働者を定年で一律に退職させることは非効率ですし、能力のない労働者を定年まで一律に雇用し続けなければならないことも非効率です。しかしながらそのような議論は、出入りが自由で、能力給で、能力を正当に評価できて、...、といった労働環境のもとでなければ成り立ちません。また、そのような労働環境が皆の幸せに寄与するかどうかは議論の分かれるところでしょう。しかし、高齢者に対して、そのような第2の労働市場が開かれることは望ましいことではないでしょうか。高齢者の就労への欲求は、経済、健康など自身の状況に応じて若年者以上に様々でしょう。仕事が生きがい、趣味に生きたい、違う仕事をやってみたい、もう何もしたくない、などなど。ずいぶん先のことではありますが、皆さんは(そして私も)どう過ごすでしょうか?「年五十にして四十九年の非を知る」「六十にして六十化す」と言いますが、いくつになっても前向きでありたいですね。

茂見 岳志茂見 岳志
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