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教員の現代経済ウォッチング

Vol.44 通信革命

皆さんはLTEという言葉をご存じでしょうか。ドコモのXiと言った方が判りやすいかもしれません。昨年12月頃から東京、大阪の都心部で提供され始めた携帯電話のデータ通信規格です。今までの通信と違い、非常な高速でデータ通信が行えます。条件にもよりますが、下りで300Mbps程度、上りで80Mbps程度でデータ通信が行えます。普通のADSLの速度は12Mbpsから50Mbps程度ですから、それらよりも速い、下りだと普通の100BASE-Tのイーサネットよりも高速ですから驚きです。ですからLTEを使うと、これまで我々が有線で使用していた程度の通信回線が無線で使える、携帯端末で大量データのやりとりが可能になるというわけです。
醍醐 元正

醍醐 元正

しかし、一方でこんな高速な通信を何に使うのだろうとも考えてしまいます。皆さんお判りのように、技術は優秀だから使われるのではなく、利用者にメリットがあって初めて需要が出てきます。インターネットも昔はメール、データ転送や遠隔コンピュータ利用程度でしか利用できませんでしたから、一部の特殊な研究者にしか利用されていませんでした。それが1994年中頃からWebという便利なアプリケーションが公開されてから広く一般にも利用されるようになったのです。また、今現在NTTでは通信のバックボーンネットワークにNGNというものを使いはじめています。これは固定・移動通信を統合し、電話・データ通信・ストリーミングを融合する新しい通信網です。セキュリティ面でも強く、安価で安定している、そういう意味では優秀なネットワークではありますが、今のところ我々末端の利用者にはその存在が見えません。それはNGNの特徴を生かせるアプリケーション、端末機器が今のところ存在しないからです。何かそういう利用方法が見つかればNGNと言う言葉が通信の表舞台に飛び出してくるかもしれません。

さてそれではLTEはどうでしょう。何か、便利な利用法があるでしょうか。個人がそのような大量のデータ通信を必要としているかどうかは判りませんが、現代企業にあってはそのような利用法はあると思われます。もう皆さんお判りでしょうが、それはiPad等のタブレットを使ったクラウド・コンピューティングです。現在では固定端末でもクラウド・コンピューティングが行われているのですから、このような高速無線通信を使えば、どこでも居ながらにして職場と全く同じデータが使えるのです。職場でもネットワークを通してデータを利用するのですから携帯端末と条件は同じです。もちろん価格は問題です。通信料金が高ければそうはいきません。その点はNTT等の通信会社がどう考えるかにかかっています。私としては、当然ながら料金を安くして利用者を増やすという戦略にでてほしいです。そうすれば、携帯端末と高速無線通信を使ったクラウド・コンピューティングはこれからどんどん使われていくと思います。

それでは、個人でこのような高速無線通信を使う用途は何かあるでしょうか。私は使ったことがありませんが、音楽のダウンロードにそれほどの高速通信は必要なのでしょうか。ビデオ・オン・デマンドなどは使われているのでしょうか。私のイメージではレンタルビデオショップの方がよく使われている気がします。こういうことを考えるのは若い人が向いているのはあきらかです。皆さんも何か考えて通信革命の一翼を担いませんか。

醍醐 元正醍醐 元正
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