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教員の現代経済ウォッチング

Vol.5 次代を見据える力を学ぶ

ソビエト連邦が崩壊し、ベルリンの壁が取り壊されたことは記憶に新しいことでしょう。世界は資本主義体制に収束しているかのように思えます。資本主義体制では、市場を通じて経済活動がうまく進んでいるように思われますが、市場に任せてばかりいるとさまざまな問題が発生します。このような状況を市場の失敗といいます。たとえば、自動車の排気ガスによる大気汚染は市場に任せていてもなくなりません。あるいは、特定の利用者から料金を徴収できない一般道路のような公共財は市場では供給されません。そこで、大気汚染をなくすため排気規制などの政策を実施したり、市場でうまく供給されない公共財を供給したりするのが、国や地方公共団体などの政府の役割です。
伊多波 良雄

伊多波 良雄

しかし、さまざまな公共サービスを提供する政府も完全ではありません。政府もまた失敗します。最近の例としては、年金を管理する年金保険庁では払い込まれた年金保険料のうち誰のものか分からない不明なものが約5000万件あったことや、市町村が受け取った年金保険料を公務員が着服したことなどが挙げられます。また、北海道夕張市が財政破綻しました。このため、小学校が統合され、子供たちはバス通学を余儀なくされたり、福祉施設が閉鎖に追いやられたりして、多くの住民が困っています。

このように市場も失敗し、政府も失敗します。政府が失敗する理由は、政府が十分な情報を持っていなかったり、新しい技術や経営ノウハウが開発されたことにより、今まで政府が供給して当然だと思われてきた公共サービスも民間が供給できるようになったりしているからです。実際に、政府と民間の役割が変化してきています。たとえば、刑務所は国が運営するのが当たり前と今までは思われていましたが、山口県美弥市に株式会社が運営する刑務所ができています。また、イギリスでは株式会社が水道を供給しています。

今、国会では衆議院は自民党が多数を維持しながら、参議院では野党が多数を占めるねじれ現象が起こっています。今後、時代がますます不確実になって行くなかで、さまざまな政策が提案されることでしょう。政府は正しい政策を実施するため政策評価を行っていますが、これも十分とは言えません。したがって、我々の生活を豊かにしていく政策がどれなのかを判断する力を我々国民一人一人が養っていく必要があります。どのようにして政策が決定されていくのか、国民にとって望ましい政策とは何なのか。このようなことを学ぶ公共経済学はますます重要性が増しています。次代を見据える力を身に付けるため一緒に学びませんか?

伊多波 良雄伊多波 良雄
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