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教員の現代経済ウォッチング

Vol.53 支えあう社会をつくるために

世界でもっとも速いスピードで高齢化が進む日本。長生きが可能になったことの背景に国民皆保険・皆年金制度があげられます。皆保険制度は、病院で診察を受けたときや入院したときの医療費を患者個人だけの負担にするのではなく、社会全体で支払うものです。皆年金制度は、20歳になったら国民全員が加入して保険料を払い、そのときの高齢者に年金を支給するという仕組みです。

さて、 みなさんは、この2つの仕組みを維持するために、どういった資金が投じられているか、ご存じでしょうか?実は、医療にも年金にも多額の税金がつぎ込まれているのです。特に国民年金は、現在の支給額のおよそ半分を税金から支出しています。最近、ニュースで取り上げられることも多いので、すでに知っているという方もいらっしゃるかもしれませんね。
塩津 ゆりか

塩津 ゆりか

では、税金といったときに、皆さんは何を想像されるでしょうか?できるだけ払いたくないものですか?知らないうちに取られているものですか?海外旅行に行かれたら、外国の消費税が高くてびっくりしたけど、免税品が買えてラッキー!でしたか?

税には、大きく分けて、所得に課すもの、消費に課すもの、資産に課すものの3つがあります。なじみ深いのは、きっと消費税だろうと思います。

最近、日本の消費税を段階的に引き上げて、財政赤字を減らそうという議論があります。ところが、いつから何%の税率にするか、なかなか決着しません。どうしてでしょうか?政治家が反対するからというのもありますが、もっとちがう理由もあります。たとえば、消費税率が引き上げられると商品が売れなくなって景気が悪化する、食料品などにも同じ税率で課税すると所得の低い人たちの生活が苦しくなる、といったものです。いかにも、もっともらしく聞こえますが、本当にそうなのでしょうか?

ある研究によれば、消費税が3%から5%に引き上げられたとき、直後は商品の販売額が落ち込んだけれども、すぐに持ち直したそうです。ということは、必ずしも消費税引き上げが景気後退を招くというわけではなさそうです。

世界には、一般食料品に消費税を課さない国もあります。イギリスでは、チョコレートでコーティングされたビスケットやチョコチップ入り、またはチョコ味のビスケットは贅沢品として17.5%の消費税がかかります。でも、そうでないビスケットは非課税なのです。さて、どこで線引きをすればよいのでしょうか。

支えあう社会をつくるために、この問題を掘り下げて考えるときが来ています。

塩津 ゆりか塩津 ゆりか
 
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