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岩澤 政宗

専任教員紹介

岩澤 政宗 IWASAWA Masamune

岩澤 政宗
研究テーマ 統計学・計量経済学
研究室 良心館469号室
演習(ゼミ)紹介 統計学・計量経済学の理論研究とその応用
HP ホームページ(外部サイト)
詳細 研究者データベース(オリジナルサイト)

私は主に、統計学および計量経済学の理論研究に取り組んでいます。 ここでは、私の研究テーマを大きく二つに分けてご紹介します。

テーマ 1: 仮定の妥当性を検定する手法の開発

データ分析にはさまざまな手法がありますが、これらの手法の妥当性は、特定の仮定の下で理論的に保証されています。仮定が誤っている場合、分析結果を誤って解釈し、政策効果や因果効果を不正確に評価してしまう恐れがあります。このような誤った結果が広く受け入れられてしまうと、社会に予期せぬ悪影響をもたらす可能性もあります。
そのため、分析を行う前に仮定の妥当性を確認することが重要です。 私の研究の一つの大きなテーマは、これらの仮定を統計的に検定する方法を提案し、その理論的性質を解明することです。具体的には、モデルの関数形に関する仮定が正しいかどうかをノンパラメトリック法を用いて検定する方法を開発しています。また、提案した検定手法が理論的にどのような特性を持つかを明らかにすることにも取り組んでいます。

テーマ 2: 完璧ではないデータに対する分析手法の開発
標準的な統計学や計量経済学の教科書では、仮定を満たすデータが存在することを前提に議論が進められます。しかし、現実に用いるデータはしばしば不完全です。例えば、欠損値の存在、標本サイズの不足、測定誤差の影響といった問題が生じることがよくあります。そのため、現実のデータ分析では、必ずしも理想的な条件が満たされるとは限りません。
このような状況を踏まえ、私のもう一つの大きな研究テーマは、不完全なデータに対しても高精度な分析を行う方法を提案し、その理論的性質を解明することです。具体的には、罰則化法(ペナルティ法)と呼ばれる機械学習の手法を用いて新たな推定方法を開発し、特に標本サイズが十分でない場合でも従来の手法よりも精度が高いことを理論的に示しています。

学生へのメッセージ

多くの方にとって、大学での時間は学問に深く触れる最初で最後の機会かもしれません。せっかくの貴重な時間を最大限に活用し、自分が興味を持つ分野を体系的に学び、学問の奥深さに触れてみてください。

演習(ゼミ)

演習テーマ:統計学・計量経済学の理論研究とその応用


演習の概要
本演習では、以下の能力の修得を目指します。
•統計学・計量経済学の理論の体系的な理解と探究:推定や検定に関する理論を体系的に学び、その背景や意義を深く理解する。
•数値実験による理論の特性の検証:統計解析ソフト(RやPython)を用いて数値実験を行い、推定量や検定量の性質を実証的に検討する。
•分析手法の理解と応用:統計学・計量経済学における多様な分析手法を習得し、実データの分析において適切に活用する。

本演習では、参加者の関心や目的に応じて「理論グループ」「応用グループ」を設けています。
•理論グループ:統計学・計量経済学の理論の学習を中心に、問題設定や理論的証明を深く探究する。
•応用グループ:統計解析ソフトの習得と実装を重視し、数値実験による理論的性質の検証や、実データの分析を行う。

参加者はどちらか一方、あるいは両方のグループに所属し、関連文献の精読、報告、ディスカッションを通じて学習を進めます。

本演習に関心のある方へ
演習の目的とご自身の関心が一致していることが、より充実した学びにつながります。

以下の関心や目的を持つ方には、本演習は適しています。
•統計学や計量経済学の理論に関心があり、背景を深く理解したい方
•将来、経済学、統計学、データサイエンス分野の大学院進学を考えている方
•実社会で統計解析のスキルを活かしたいと考えている方
•手法の理論的な正当性を理解した上でデータ分析に取り組みたい方

以下の関心や目的を持つ方には、本演習は適していません。
•データ分析の実践だけに関心があり、理論的背景には興味がない方
•プログラミングの技術習得だけを目的としている方
•継続的な学習に取り組む意欲が持てない方
•数学的な思考や議論を避けたい方

お問い合わせ
本演習に関する詳細は、ゼミのホームページをご覧ください。見学や参加はいつでも歓迎しています。質問や参加希望については、教員またはゼミのメールアドレスで受け付けています。
ホームページ:https://sites.google.com/view/doshisha-iwasawa-seminar
メールアドレス:doshisha.iwaswa.seminar@gmail.com

2年次演習

計量経済学や統計学の基礎的な教科書を輪読しデータ分析の手法を学びます。
また、統計解析ソフトウェア「R」を用いたデータ分析やシミュレーションの方法を学びます。


[履修条件]
経済数学I,II、及び、統計I,IIを履修済みであること。
また、計量経済学1を2年次秋学期に履修すること。

3年次演習

ゼミ生の興味関心に合う発展的なテキストの輪読、及び、先行研究の発表を通じて、計量経済学や統計学の理解を深めます。


[履修条件]
経済数学I,II、統計I,II、計量経済学1を履修済みであること。
また、計量経済学2を3年次春学期に履修すること。

卒業研究

計量経済学に関する独自の研究課題に取り組みます。得られた研究成果を卒業論文としてまとめ、報告します。


[履修条件]
経済数学I,II、統計I,II、計量経済学1,2を履修済みであること。

関連する科目

既修・併修を強く勧める科目
  • 経済数学I,II
  • 統計I,II
  • 計量経済学1,2
既修・併修が望ましい科目
  • 中級ミクロ経済学
  • 中級マクロ経済学

関連する演習

学生による「私のゼミ紹介」


データ分析を行うゼミは複数ありますが、岩澤ゼミでは以下の点に特徴があります。

1. 理論と応用の2つのテーマで運営を行なっており、好きな方もしくは両方に参加できる
2. 先生が統計理論の専門家である
3. 少人数ゼミであり、自由にテーマが決められる
4. 多学年で交流する機会が多い

1. 理論と応用の2つのテーマで運営を行なっており、好きな方もしくは両方に参加できる
- 2024年度の3年生は応用の授業で、「明石市の政策が人口増加に与えた影響」について調査を行なっていました。一方で理論の授業では、統計理論について学習しています。データ分析、データサイエンス、機械学習・AIなどを最近トレンドとしてよく耳にしますが、これらには土台となる統計理論が欠かせません。これらの分野に将来進みたいと考えており、理論の学習に腰を据えて取り組みたい方にはおすすめです。

2. 先生が統計理論の専門家である
- 岩澤先生は統計理論の専門家なので、ゼミ生同士で悩み、困った時には親身に教えてもらうことができます。

3. 少人数ゼミであるために自由にテーマが決められる
- またこれら理論と応用のどちらにおいても、自分たちで学習内容・テーマを先生と相談して決めることができます。

4. 多学年で交流する機会が多い
- 先輩方と交流する機会が多いので、進路を考える際に参考になることが多いです。岩澤ゼミの理論勉強会に参加している人の半分ほどは大学院に進学しました。
- 去年は他ゼミの3、4年生も理論勉強会に参加しており、卒論発表会では岩澤ゼミを含めて4つのゼミの学生が発表を行いました。