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小暮 憲吾

専任教員紹介

小暮 憲吾 KOGURE Kengo

小暮 憲吾
研究テーマ 政治経済学(社会経済学)、労働と技術進歩(AI化)、ジェンダー
研究室 良心館470号室
詳細 研究者データベース(オリジナルサイト)

 私は「技術進歩(AI化)がもたらす社会的変容と多様性」を大きなテーマとして掲げ、研究をしています。皆さんもご存知の通り、AI(Artificial Intelligence)技術の発展は目覚ましく、近年社会的にも注目を集めています。自動運転技術や医療用画像解析技術は既に実用化され、我々の生活水準を向上させる先端技術として期待されています。一方で、AI化による労働代替が大規模な失業や賃金の低下を引き起こすと危惧され、経済学の分野では、AI化が労働市場へもたらす影響の定性的・定量的研究が盛んに行われています。
 しかし、AIが実用・実装される際には、経済学(労働市場)を超えて、他分野との複合的検討が重要となります。自動運転技術を例にとれば、AIプログラムを構築する物理学やAIの搭載を管理する機械工学、さら自動運転の法的規制を決める法学や政治学、さらにはAI導入時の倫理的問題や経営体制の変化を分析するために、哲学や経営学の研究も必要となります。そのため、AI化が産業革命同様の大きな社会変容を伴う技術進歩である場合には、既存の研究ではAI化がもたらす社会的変容の適切な効果を十分に分析できず、現実的含意(政策提言)を示唆する上でも不十分であるといえます。
 そこで私は、AI化は労働市場のみならず、社会全体とも相互依存関係にある点が重要だと考えています。例えば、AI技術の導入と同時に、社会保障制度が充実すれば、労働市場の変化は微小であるでしょうし、AI化は社会構造(制度)の変化を誘発するかもしれません。また、AI技術の持つ特殊性が労働者と雇用者(資本家)の権力関係にも影響し、経済的関係性を超えた社会的関係性にまで変化をもたらす可能性があります。
 具体的にはこれまでに、AI化による労使コンフリクトとマクロ的安定性の分析や権力偏向的な技術選択を伴う有効需要の重要性の考察、経済的脆弱性(権力的搾取)の実証分析を行ってきました。また他にも、労働の在り方と社会保障の現状を「ワーク・ライフ・バランス(インテグレーション)」の観点から研究したり、女性の働き方と政策評価の実証研究もしています。いずれはこれらの個別の研究を、冒頭の大きなテーマへ包括的に組み込み、独自の理論を構築したいと思っています。

学生へのメッセージ

 「光陰矢の如し」とはよく言ったもので、月日の流れは早く、さらに年々早くなっていくように感じ(老い)ます。学部4年間という自由な時間を持てあますことなく、後悔のない学生生活を送ってください。そのためには、事前の計画とその時その時を全力で楽しむ必要があります。

2年次演習(プレゼミナール)

「2年次演習(プレゼミナール)」では通常の「2年次演習」未受講者を対象に、ゼミ形式の少人数クラスで論文執筆や専門書の輪読等を通じて互いに切磋琢磨しながらアカデミックな様々な技法(論文作成の作法、プレゼンテーション、レジュメ作成方法、アンケート・統計処理の方法など)を学びます。

技法取得の手段として、担当教員の専門分野に係る専門書等を利用することがありますが受講生が「2年次演習(プレゼミナール)」のクラス(教員)を指定することができない事情に鑑み、平易なものや経済学を学ぶ上で汎用性のある書籍を利用するなど留意します。

授業の進め方やテキストに関する詳細は初回授業で各担当者から説明します。

※「2年次演習(プレゼミナール)」の担当者は「3年次演習」および「卒業研究」は担当しません。
そのため、次年度「3年次演習」の履修を希望する場合は、例年3月に実施される「3年次演習」追加募集にエントリーしてください。
※「2年次演習(プレゼミナール)」の履修有無は、「3年次演習」追加募集の合否に関係ありません。


[履修条件]
「2年次演習」を未登録・未履修であること