八木 匡
専任教員紹介
八木 匡 YAGI Tadashi

研究テーマ | 公共経済学(創造経済論、教育経済学) |
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研究室 | 良心館467号室 |
演習(ゼミ)紹介 | 日本経済競争力強化のための公共政策 |
HP | 八木 匡 ホームページ(外部サイト) |
詳細 | 研究者データベース(オリジナルサイト) |
現在、日本経済の競争力強化のための構造改革が様々な観点から議論されている。本ゼミでは、経済を規定する基礎的条件として、(1)教育を通じた人材育成と労働市場、(2)格差社会の深刻化と社会保障制度、(3)コンテンツ産業と社会資本を取り上げ、ミクロ的分析を用いながら、日本経済競争力強化のための政策的課題について検討を行う。
教育政策は人材の質を決定し、長期に亘って一国経済の競争力に影響を与える。「ゆとり教育」による学力低下問題を起点として、教育政策に対して、様々なレベルで議論が行われているが、本ゼミでは、労働市場における人材の質といった観点から分析を行うと共に、教育を通じた格差社会の拡大についても分析を行う。長期的には、アジア経済における日本の相対的地位は、アジア諸国の中での日本人労働者の相対的質に依存すると考えられる。アジア諸国の人材の質と日本人労働者の質の相対的比較を行うことは、アジアにおける国際的ビジネス戦略を検討する上でも重要と考える。
また、経済活動の中で重要性を増大させているコンテンツ産業についても研究を進める。中国の台頭による産業空洞化が与える問題を回避するためには、高付加価値で知識集約型の財を生産し、市場を創造していく必要がある。コンテンツ産業は、海外における日本の文化影響力の拡大効果を持ち、製造業等の産業のグローバル経済における競争力強化および国家ブランディングに重要な役割を果たしている。本ゼミでは、日本経済競争力強化のために必要なコンテンツ産業政策について分析を進める。
学生へのメッセージ
大学は目先の利益を考えず、学問的興味を高める場であります。そのために、学問の基礎をしっかりと学ぶことは、論理思考能力と分析能力を高める上で重要なことであります。経済学部での学びによって、自ら問題を発見する能力、発見された問題を分析する能力、そして分析結果を基に政策提言を行う能力を高めて下さい。
演習(ゼミ)
演習テーマ:日本経済競争力強化のための公共政策
現在、日本経済の競争力強化のための構造改革が様々な観点から議論されている。本ゼミでは、経済を規定する基礎的条件として、(1)教育を通じた人材育成と労働市場、(2)格差社会の深刻化と社会保障制度、(3)コンテンツ産業と社会資本を取り上げ、ミクロ的分析を用いながら、日本経済競争力強化のための政策的課題について検討を行う。
(1)の教育政策は人材の質を決定し、長期に亘って一国経済の競争力に影響を与える。「ゆとり教育」による学力低下問題を起点として、教育政策に対して、様々なレベルで議論が行われているが、本ゼミでは、労働市場における人材の質といった観点から分析を行うと共に、教育を通じた格差社会の拡大についても分析を行う。長期的には、アジア経済における日本の相対的地位は、アジア諸国の中での日本人労働者の相対的質に依存すると考えられる。アジア諸国の人材の質と日本人労働者の質の相対的比較を行うことは、アジアにおける国際的ビジネス戦略を検討する上でも重要と考える。
(2)の格差社会は、グローバル経済の進展によって、アジアの労働力によって日本の未熟練労働が代替されるという問題とも関連して、深刻化している。ワーキングプアという言葉に表されるように、非正規労働の賃金水準が低いために、労働時間を増しても所得が十分な水準に達しないため、貧困状態から脱することができない状況が生まれている。また、学力問題とも関係している問題として、ニート・フリーターと呼ばれる若者が増大し、若年労働者の熟練形成が停滞するとともに、格差拡大の要因ともなっている。このような問題についても分析を行う。
(3)のコンテンツ産業については、現在、経済活動の中で重要性を増大させており、新しい研究課題として注目を集めつつある。中国の台頭による産業空洞化が与える問題を回避するためには、高付加価値で知識集約型の財を生産し、市場を創造していく必要がある。コンテンツ産業は、海外における日本の文化影響力の拡大効果を持ち、製造業等の産業のグローバル経済における競争力強化および国家ブランディングに重要な役割を果たしている。本ゼミでは、日本経済競争力強化のために必要なコンテンツ産業政策について分析を進める。
以上の問題を、2年次演習(プレ演習)から3年次演習(サブジェクト演習)2まで継続的に分析していく。ゼミでは、それぞれ10名程度から成る課題別グループに分けて、学生が主体となって、資料・参考文献の収集、分析ポイントの絞り込み、分析、政策提言を行う。2年次演習(プレ演習)では、現状把握と問題の発見に中心を置く。3年次演習(サブジェクト演習)1では、分析ポイントの絞り込みを行い分析作業に入る。3年次演習(サブジェクト演習)2では、3年次演習(サブジェクト演習)1から進めている分析を基礎に論文を作成し、毎年慶應大学で開催される全国学生政策会議で発表する。
本演習では、学生が主体的な研究活動を重視しており、教員はアドバイスするにとどまっている。そのため、グループ内での議論は毎回活発に行われ、学生の学問的関心を、十分に深めることができている。
2年次演習 |
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[履修条件] |
3年次演習 |
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3年次演習1
[履修条件] |
3年次演習2
[履修条件] |
卒業研究 |
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卒業研究では、各学生が設定した個別テーマを、学問的に深める。そのため、学術雑誌を中心とした参考文献を収集し、丁寧に読み進めて頂く。そのもとで、卒業論文の中間報告を年間3回程度行って頂き、卒業論文をまとめる。 [履修条件] |
関連する科目
既修・併修を強く勧める科目
- 公共経済
- 計量経済学
- 統計実習
既修・併修が望ましい科目
- 中級ミクロ経済学
- 中級マクロ経済学