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2022年度のレポート(リニアモーターカーによる環境への影響)

学生ケーザイレポート(2022年度)

リニアモーターカーによる環境への影響

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 本プロジェクトでは、「リニアモーターカーによる環境への影響」というテーマで研究を進めた。
 リニア中央新幹線とは、車両に搭載された超電導磁石と線路上に設置されている地上コイル(浮上・案内コイルや推進コイル)との間の磁力によって車両を10センチ程度浮上させ、超高速で走行するという技術を活用し、品川と名古屋を最短40分で結ぶ新たな交通手段のことである。2027年の開業に向けて現在も建設が続いているリニア中央新幹線だが、その過程で膨大な環境被害や運行時の不透明さに対する懸念がある。そこで、私たちはリニア新幹線の必要性について、名古屋市にありJR東海が運営するリニア鉄道館への訪問や、リニア市民ネット・大阪の春日直樹先生のお話を伺ったほか、書籍やJR東海のHPを利用して調査を行った。
 この調査から、リニア中央新幹線は、圧倒的な時短効果や三大都市圏の多重ネットワークの構築などの期待されるメリットよりも、水涸れ、トンネル工事、残土、電力、電磁波、採算性といった問題点の方が多いと考えた。特に大きな問題として、トンネル工事の際に地下水脈へ接触してしまうことで生じる水涸れによって、河川の水枯れや流量の減少などが発生していまい、多方面への影響が懸念されている。以上より、私たちはリニア中央新幹線の建設・運用は取りやめるべきだと結論を出した。また、リニア中央新幹線計画の物質的な残存資源の流用と技術的な資源の流用を提言し、問題の根本的な解決を目指すためには、JR東海と地方自治体・住民間において十分な情報共有が行われたうえで話し合いの場を設けることが必要だと考えた。