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2022年度のレポート(印西市から読み解く住みやすい街づくり)

学生ケーザイレポート(2022年度)

印西市から読み解く住みやすい街づくり

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 本レポートは東日本出身者5人のもと、ニュータウンに焦点を当て、新しい都市基盤の確立によってニュータウンのベットタウン化を防ぐこと、都市基盤の確立による経済効果によって産業を活性化させること、印西市に住み首都圏へ働きに出る人々が印西市で働きたいと思える都市づくりの3つを目的として研究した。
 印西市は現在、人口が増加傾向にあるものの人口の約半数は千葉ニュータウン中央地区に集中している。また、令和10年をピークに高齢者人口以外の人口が減少すると見込まれている。この市を実際に12月に現地調査した。
 印西市には東京都やつくば、成田国際空港や羽田空港からのアクセスの良さ、地盤の強さ、土地の安さという利点と、関東ローム層上にあるために農業に適さない土地であるという特徴がある。これらの利点と特徴を生かして、データセンターの設置をはじめとするデータ産業が印西市に適していると考察した。精密な機器を扱うデータセンターが設置可能なことに裏打ちされた企業のオフィスに適した地域としての「INZAI」のブランド化により、IT企業や他産業の印西市への進出も見込むことができる。
 データセンターから生まれる経済効果としては、平成27年の13部門の千葉県産業連関表を用いて産業連関分析を行ったところ、情報通信業のみに1,000単位投資すると、1959単位得られることが明らかとなった。情報通信業自体は1.3倍、サービス業は間接効果として28%増加と、サービス業での雇用増加も見込まれる。
 印西市の課題である、生産年齢人口の減少、ベットタウン化による産業の不安定性は、データセンター設置によって見込まれる経済効果である、初期投資による地域への波及効果、雇用創出、企業誘致促進によって、すなわち地域とデータ産業を連携させることによって解決できると考えられ、結論に至った。