2023年度のレポート(実践公共経済学:ふるさと納税で京都市の財政難を改善しよう!)
学生ケーザイレポート(2023年度)
実践公共経済学:ふるさと納税で京都市の財政難を改善しよう!

本プロジェクトでは、「実践公共経済学:ふるさと納税で京都市の財政難を改善しよう!」をテーマに研究を行なった。このテーマを設定した理由は、京都市が抱える財政難の現状を知り、市外から寄付金を集めることができるふるさと納税が歳入を増やすのに効果があるのではないかと考えたからである。
ふるさと納税について学んでいく中で、京都府がふるさと納税の返礼品を府内の市町村と連携して提供し、集まった寄付金を府と市町村とで折半するという新たな仕組みを始めたことを知った。その詳細を調査するため、京都府庁に取材を行なった。取材を通して、この取り組みが京都府全体のふるさと納税を活性化し、財源を確保するとともに、各市町村の寄付額の格差を是正することを目的としていることを知った。現在は、市町村によって寄付額に大きな差が生じている状態であるが、京都府が事業者を公募し、事業者と密なコミュニケーションを行い、ノウハウを各市町村に教えることで、ふるさと納税に消極的な市町村への支援を強化することができる。これまで市町村単位でしか行われていなかったふるさと納税を、府と市町村が連携して行うというのが今回の試みの新しい点である。
この取り組みが成功すれば、ふるさと納税が地方財政の改善に役立つモデルケースになると考えられる。そのため、今後も取り組みの動向を調査し、「ふるさと納税京都モデル」が財政難改善にどのような影響を与えるのか分析していきたい。また、今回の現地取材後、京都府庁以外にも、事業者や市町村を取材した方が良いと感じた。府、市町村、事業者という立場の異なる主体の考えを知ることで、「京都モデル」を多角的に理解することができるからである。
研究を通して、ふるさと納税に対する知見が広がったと同時に、京都市が抱えている課題に対する興味関心が高まった。京都市の学生として地域の現状を理解し、改善しようという姿勢を持ち続けていきたい。