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2023年度のレポート(今治タオルのブランディング戦略と差別化戦略)

学生ケーザイレポート(2023年度)

今治タオルのブランディング戦略と差別化戦略

 私たちは今治タオルにおけるブランディング戦略と差別化戦略について研究を進めてきた。まずこの研究を進める際に、今治タオルの調査・分析を行い、ブランディング戦略とその効果、他のタオルとの差別化がどんなものなのかを調べた。そして実際に今治市を訪れ、今治タオル工業組合で行われていた「今治タオルフェア」に参加し、地場産業のブランディングとして優れている点、他地域への地場産業に還元するための方法を探し出した。
 今治でタオル生産が盛んな理由について分析を行なった結果、温暖で雨の少ない気候や、今治市に流れる蒼社川による豊かな水資源などの自然資源に恵まれていたことと、江戸時代からの造船業が盛んであり、重量のあるタオルの輸送に有利であったこと、タオルの生産を開始した阿部平助、タオル織機に着手した中村忠左衛門などの優れたリーダーが出現したことによることが分かった。
 今治市では2006年から「今治タオルプロジェクト」が始動され、大きく分けて5つの取り組みが行われた。準備期としてブランドコンセプトを明確にし、ブランドマークとロゴで目印を作り、国内発展としてタッチポイントを設置し、マイスターやソムリエ制度で人材の育成を図った。そして海外発展として、JAPANブランドとして海外にアピールした。
 私たちはこの研究から、豊かな自然資源があり、歴史ある基盤産業が集積していれば、その地域特有の伝統産業が発展させることが可能であり、さらにその産業で生み出した商品のブランド力を高めるためには、「今治タオルプロジェクト」のような、段階をしっかりと踏んだブランディング戦略を行うことで、他の商品と差別化を図り、値段が高くても売れる仕組みを構築することができ、地域活性化に繋げることができると考えた。