2024年度のレポート(実践公共経済学:京都市の出会い支援をもっとメジャーにして少子化を解決しよう!!)
学生ケーザイレポート(2024年度)
実践公共経済学:京都市の出会い支援をもっとメジャーにして少子化を解決しよう!!

本プロジェクトは、京都府の少子化問題の解決を目的に、婚活支援の実態を調査し、新たな施策の提案を目指した。2年次のゼミで出生率と様々な要因の相関を分析した経験をもとに、出会いの機会を増やすことが少子化対策に有効であると考え、研究を進めた。
私たちは、京都婚活応援センターや奈良県庁子ども・女性課への訪問、先行文献の研究を実施した。京都府の婚活センターでは「若者の登録が少ない」ことが課題とされ、奈良県庁では「ライフデザイン」の概念が重要視されていた。これらを比較し、政策の方向性の違いを分析した。
調査を通じて得た学びは5点ある。第一に、少子化の原因は未婚化・晩婚化、経済的要因、出会いの機会不足など、多様な要素が絡み合っていることを認識した。第二に、現場の声を直接聞くことで「若年層の婚活参加の難しさ」などの実態を知ることができた。第三に、データだけでなく、結婚願望や社会的背景といった「人間的視点」も考慮すべきことを学んだ。第四に、若年層向けの婚活施策が不足しており、特に学生が多い京都には柔軟なプログラムが必要だと考えた。最後に、奈良県の「ライフデザイン」の考え方に触れ、意識改革が少子化対策に有効であると理解した。
社会貢献の観点から、京都府の婚活センターの情報を大学生にも広めることで、出会いの機会を増やし、結婚への意識を高めることができると考える。また、行政の取り組みを発信することで、社会全体の意識改革にもつなげたい。
一方、反省点として、京都府のマッチングアプリの効果検証が不十分だったこと、奈良県の施策を参考に京都府の施策を提案する予定だったが、両府県の方向性の違いにより目的を達成できなかったことが挙げられる。今後は、より実践的な施策の検証や、若年層向けの具体的なアプローチを考える必要がある。