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2024年度のレポート(実践公共経済学:リノベーションで京町屋を後世に残そう!)

学生ケーザイレポート(2024年度)

実践公共経済学:リノベーションで京町屋を後世に残そう!

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「減少傾向にある京都の町並みと生活文化の象徴である京町家の保全について」

 本プロジェクトでは、減少する京都の歴史的建造物である京町家の保全について調査を行った。
 京町家の現状として、老朽化や耐震性の問題、所有者の高齢化や相続問題などにより、京町家の解体が進み、平成21年度から28年度の間に5602軒減少している。このため、京都市の行政機関や民間団体などが保全のための取り組みを行っており、その実態を調べる為に、京都市役所へ訪問し、担当部署の方に直接お話を伺った。そして、解体前の事前届出制度や、修繕・改修への補助金制度などを設けていること、マッチング支援などを行っていることが判明した。しかし、担当の方が仰るには、こうした制度の周知不足や活用の少なさが課題であるとのことであった。
 次に我々は、京町家を保全するにあたり、住居としてではなく、リノベーションを行い、商業施設として活用する試みに注目した。活用事例として主に、ゲストハウスやカフェといった施設としての活用が挙げられる。しかし、こうした試みにも課題が残る。例えば、六原地区では簡易宿所 (57件) の約80%以上が町屋ゲストハウスで一棟貸しされているが、旅行者の深夜移動や、騒音が地域住民に影響を与える問題が発生しており、住居として以外の京町家の利用にはリスクが伴うことがわかる。
 そこで、我々は京町家を商業施設、特に、カフェとしてリノベーションし、使用することを提案する。京町家の間取りや空間特性がカフェ空間の独自性や魅力に影響し、伝統的な要素と現代的なアレンジを組み合わせることで個性を高められる可能性がある。写真は、我々が実際に京町家をリノベーションしたお店に訪れた際のものである。
 このように、単なる飲食店に留まらず、地域の文化や歴史を感じながら、現代のライフスタイルに適応した新しい形のコミュニティスペースとしての役割を果たすことができると考える。