2024年度のレポート(温泉街の活性化によるまちづくり)
学生ケーザイレポート(2024年度)
温泉街の活性化によるまちづくり

私たちは「温泉街の活性化によるまちづくり」というテーマで研究を進めてきた。この研究では、別府市が有する豊富な温泉資源を活用し、観光地としての魅力を再発見するとともに、地域経済の活性化を目指している。活動の一環として、2024年10月15日と16日に別府市を訪れ、現地調査を実施した。初日は観光客の視点から、食費や交通費、娯楽費といった観光消費を分析し、2日目には別府市役所において湯治文化やウェルネスツーリズムに関する聞き取り調査を行った。
別府市が観光地として発展してきた背景には、約2200の源泉と毎分8万3千リットル以上の湧出量を誇る温泉資源、さらに湯治文化という歴史的価値があることがわかった。一方で、若年層を中心に湯治文化の認知度が低いことや、日帰り客の割合が高いために観光消費額が伸び悩むという課題が確認された。これにより、宿泊客を増やし、滞在型観光を促進する必要性が明らかになった。
これらを踏まえ、私たちは「新湯治・ウェルネスツーリズム」を提案した。例えば、別府温泉の多様な泉質を活かし、美容や健康に特化した機能温泉浴を提供することで、日帰り客でも特別な体験を得られるように工夫することが挙げられる。これにより、観光消費額の向上と別府市のさらなる魅力化が期待できる。また、SNSを活用した情報発信を強化し、若年層へのアプローチを図ることで、湯治文化や温泉街の認知度を高める施策も効果的であると考えた。
この研究を通じて、地域特有の資源を活かし、伝統と現代のニーズを融合させた新たな観光の形を再構築し、地域活性化に寄与できる可能性を示した。温泉地の魅力を多角的に伝えるとともに、観光客の消費意欲を高める取り組みが今後ますます重要であると結論付けた。