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2024年度のレポート(観光×地場産業における地域活性化)

学生ケーザイレポート(2024年度)

観光×地場産業における地域活性化

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 本プロジェクトの目的は、倉敷市の発展に大きな影響を与えた実業家である大原孫三郎の思想と取り組みを通じて、現代の倉敷市がどのように成立したのかを研究することである。特に、大原孫三郎がどのように人材に投資し、その結果として倉敷市にどれほど多大な経済的・文化的貢献をもたらしたのか、また現在の倉敷市の観光にどのように役立てられたのかを明らかにすることを目指した。
 現在、倉敷市は年間に多くの観光客が訪れる観光都市の一つとなっている。またそれだけではなく人口減少が加速する日本において人口自体もほぼ横ばいになっているという特徴を持つ、珍しい都市である。このような都市が成立した経緯はどのようなものであったのであろうか。
 大原孫三郎は、一言で表すと倉敷市の発展に大きく貢献した人物であった。彼は、地域の経済基盤を築くためにまず「奨学金による人材育成」を行い、若者に欧米へ留学させるなどして知見を広めさせることに尽力した。その結果、帰国後に倉敷市で社会に貢献する人材が育成され、地域発展が促進されるきっかけとなった。また、倉敷紡績所(クラボウ)の設立に伴い労働環境改善に尽力し、企業そのものの発展を支えたことが挙げられる。さらに、農業、社会問題、労働などの研究所を設立し、社会全体の向上に貢献。インフラ整備や文化事業にも注力し、教育や芸術振興を推進したことが功績として挙げられる。
 倉敷の発展は、大原孫三郎が行った「人材育成」を基盤とした多方面の取り組みによって築かれたといっても過言ではない。彼が行った人材投資の重要性は、現代にも活かせるものであり、人口減少が進む中で人的資本に対する投資は、地域の未来を切り拓く鍵となりうる。この研究を通し、人材育成をもととした経済発展は、人口が減少しつつある日本において重要視していくべきことなのではないかと考察する。