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2024年度のレポート(地方創生に動く地方銀行~現代社会で求められる地方銀行の経営戦略とは~)

学生ケーザイレポート(2024年度)

地方創生に動く地方銀行~現代社会で求められる地方銀行の経営戦略とは~

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 地方創生に動く地方銀行~現代社会で求められる地方銀行の経営戦略とは~

 本プロジェクトでは低金利の長期化や少子高齢化などの社会的影響を受けている地方銀行に関して、どのような経営戦略が今後求められていくのかを考察することをテーマとして研究を行った。
 こうした環境であるにも関わらず有価証券の運用で全国トップの利益を上げ、預金量・純利益ともに関西No.1の地方銀行がある。その銀行とは京都銀行のことである。この京都銀行の経営戦略の中に他の地方銀行が抱える課題を解決するヒントがあるのではと思い、「京都銀行五十年史」や「京都銀行二十年史」の社史分析、現地調査として地域連携部へのヒアリング、京都銀行の取引先企業へのヒアリング等を行った。
 研究を通じ、私たちは市場把握と挑戦的な取り組みの重要性を学んだ。京都銀行は当初、後発銀行として取引先確保の課題を抱えていたが、市場把握を行い、信用金庫や都市銀行といった競合銀行が手を出していない任天堂・京セラ・村田製作所等の製造業へ投資をした。当時の他銀行が手を出していない中小企業・ベンチャー企業投資であり、京都銀行としてリスクのある投資であったが、この投資が現在の有価証券運用益につながり、京都銀行の安定した収入源の一つとなっている。
 京都銀行の経営戦略を研究することで地元企業へのリスクを顧みない積極的な投資や既存の枠にとらわれない挑戦的な精神、有価証券という本業以外の収益源を持つことの大切さが明らかになった。全てが他の銀行にとって再現性があるとはこの一年の研究段階では言い切ることができないが、これらの銀行が課題に直面した際、自らの経営方針を考える一助になると考える。
 本研究の課題としては京都銀行の成功した経営戦略を中心として扱ったため、他行との比較が不足し、客観性に欠ける側面があることである。今後は他の地方銀行との比較や、京都銀行の負の側面にも着目し、より説得力のある研究にしていきたい。