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2024年度のレポート(実践公共経済学:京都市営バスをもっと快適に!)

学生ケーザイレポート(2024年度)

実践公共経済学:京都市営バスをもっと快適に!

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 京都市交通局がバス車内の混雑防止を目的に、「観光特急バス」を通常の便に加えて追加運行することを決定しました。なお、観光客数の増加する土日祝日のみの運行になっており、本プロジェクトを通じて、私たちは公共経済学の観点から当施策の評価を行いました。
 観光都市である京都に住まう一学生として、インバウンドによる影響は肌で感じる場面も多く、特に公共交通機関を利用する際にオーバーツーリズムすなわち観光公害の影響を改めて実感しています。そこで、ゼミ活動を通じ、前述した公共経済学はもちろんのこと、回帰分析などの統計ソフトを用いた定量的検証を行う機会も多いことから、本プロジェクトの第一義を、「データ収集とそれによる回析を通じ、混雑による圧迫感という不経済を観光特急バスが解消できているか」と定めました。
 まず、主たる調査対象を、(1)観光特急バス、(2) (1)が運行している土日祝日の通常運行のバス、(3) (1)が運行していない平日の通常運行のバスとし、バスの最大積載人数55人に対する各々のバスの実際の乗車人数を停車駅ごとに計上し、同時に主観をベースに圧迫感を感じる乗車人数についても班員の意見を元に推量しました。データ収集の結果として、観光特急バスの乗車人数は最大積載人数を恒常的にほぼ満たすほどに利用されていた一方で、運行時間を同じくした通常運行バスの混雑緩和傾向は観光客のそのあまりの人数から、見込むことはできませんでした。
 以上より、京都市民がバス乗車時に感じる圧迫感解消は、観光特急バスでは実現できていないことが判明しました。さらなる対応策に、観光特急バスの増便では費用対効果が低くなることも想定されるため、京都市交通局はオーバーツーリズムの解消に向けた新たな対応に迫られていると考えました。