2024年度のレポート(ICT先進地域におけるICTの利活用およびAI関連産業の国際比較研究)
学生ケーザイレポート(2024年度)
ICT先進地域におけるICTの利活用およびAI関連産業の国際比較研究
本プロジェクトは、情報システムの研究を通じて、文理の垣根を超えた視点を持つことの重要性に着目した。アジア屈指のICT先進地域である台湾を対象に、ICT活用と半導体産業の国際比較を行うことで、IT人材としての能力向上を目指した。具体的には、台湾の日常生活におけるICT利用の実態調査や、半導体産業を中心としたハイテク技術の動向を分析し、日本のICT活用における国際競争力の向上に資する知見を得ることを目的としている。
現地調査では、台湾最大規模の半導体関連イベント「SEMICON Taiwan 2024」を視察し、最新技術やAI統合、スマート製造に関する知識を深めた。TSMCやサムスンなど主要企業のプレゼンテーションを通じて、3D集積技術や持続可能な技術開発の現状を把握した。また、台北市内におけるICT活用の実態を現地の人々へのインタビューを交え調査し、台湾の日常生活とICTの密接な関係性を体感した。これらの経験を通じて、文献では得られない現地の生の情報を収集し、理解を深めることができた。
本調査から得られた知見として、各国の政策や投資環境、企業文化がICT産業の発展に与える影響を分析する重要性が挙げられた。また、医療、教育、交通分野におけるAI活用の事例研究を通じて、社会課題解決や新たな価値創造に関する国際比較の必要性を感じることができた。さらに、台湾におけるプライバシー保護やデータ管理に関する法的枠組みや社会的認識の形成についての調査が、AI実用化の課題解決に寄与する可能性に触れることができた。
本プロジェクトを通じて、台湾の先進的なICT利用や半導体産業に関する知見を活用し、日本におけるICT活用の課題と可能性を再評価する機会となった。引き続き、日台間の国際比較研究を深化させ、IT人材の育成と社会課題の解決に貢献していきたい。