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2025年度のレポート(出雲市総合振興計画「出雲新話2030」~社会問題に適応する持続可能な街づくり~)

学生ケーザイレポート(2025年度)

出雲市総合振興計画「出雲新話2030」~社会問題に適応する持続可能な街づくり~

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 本研究は、出雲市総合振興計画「出雲新話2030」を手がかりに、人口17万人の維持を目指す出雲市の持続可能性を、自治体・産業・文化的資源の三者関係から検討したものである。出雲市には出雲大社やたたら製鉄といった独自の文化的資源があり、地域の魅力やアイデンティティを形づくっている。一方で、産業面では電子部品・デバイス製造が突出しており、島根富士通や出雲村田製作所が地域経済を大きく支えている。本研究では、こうした文化・産業・自治体の要素が有機的に結びつく地域構造こそが人口維持に寄与するという仮説を設定した。
 出雲市役所への調査では、人口維持に効果を上げている政策として、子育て支援・企業誘致・移住促進の3点が挙げられた。出生率は全国平均を上回り、住宅助成や地価の低さが若年層の定住を後押ししている。企業誘致ではIT産業の進出や新工業団地の造成が進み、雇用創出と税収確保に寄与している。また、出雲村田製作所では約8,500人が働き、生産年齢人口の約9%を占めるなど、地域経済への影響は極めて大きい。教育支援や地域交流にも積極的で、市との連携が深いことも確認できた。
 しかし、文化的資源と産業の連携は弱く、出雲村田製作所においても文化資源との協働は見られなかった。自治体と産業の結びつきは強固である一方、文化的資源が産業と結びつく構造が未形成であることが、本研究で明らかになった最大の課題である。
 今後は、他地域における文化資源と産業の連携事例を参照しながら、出雲市の製造業と出雲大社・たたら製鉄といった文化的資源を結びつける新たな取り組みを検討することが求められる。文化・産業・自治体の三者が有機的に連携することで、出雲市の持続可能な地域づくりに寄与できる可能性がある。