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2025年度のレポート(実践公共経済学-バスが来ない京都の現状と打開策~オーバーツーリズム時代の交通政策~)

学生ケーザイレポート(2025年度)

実践公共経済学-バスが来ない京都の現状と打開策~オーバーツーリズム時代の交通政策~

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 私が所属する公共経済学ゼミでは、京都市バスの混雑・遅延問題を題材に、公共交通政策のあり方について研究を行っている。観光都市である京都では、インバウンドの増加に伴い、市民生活に必要不可欠な市バスが観光客によって混雑するというオーバーツーリズム問題が顕在化している。特に通勤通学時間帯において、バスの定時性や快適性が損なわれている点は、公共交通が本来果たすべき役割を考える上で重要な課題である。
 京都市バスの混雑対策としては、車両の増便が直感的な解決策として想定される。しかし、運転手不足や財政制約を踏まえると、単純な供給量の拡大には限界がある。そこで本研究では、「バスが円滑に運行できる環境を整えること」によって混雑や遅延を緩和できないかという問題意識のもと、施策の検討を行った。
 具体的には、交差点においてバスを検知し、青信号を優先的に出す感応式信号の導入に着目した。バスが渋滞や信号待ちによって遅延する時間を短縮できれば、同じ本数でも輸送効率を高めることが可能であると考えた。分析にあたり、既存の先行研究や他都市の導入事例を参照し、バスの所要時間短縮や定時性向上といった効果を比較検討した。
 検討の結果、感応式信号は、バスの運行速度を向上させ、混雑の分散や遅延の抑制につながる可能性があることが示唆された。この研究を通じて、公共交通の課題解決には、単に設備やサービスを追加するのではなく、その効果が最大限発揮される制度設計や運行環境の整備が重要であると学んだ。公共経済学の視点から、限られた資源をどのように配分し、社会全体の利便性を高めるかを考える意義を強く実感した。
 また、本研究は市バス利用者全体の利便性向上だけでなく、観光客と市民の利用目的の違いを踏まえた交通政策の必要性を示している。今後は、交通施策を単体で捉えるのではなく、観光政策や都市設計と連動させた総合的な対応が求められると考えられる。