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2020年度のレポート(イノベーティブな医療産業集積を目指して)

学生ケーザイレポート(2020年度)

イノベーティブな医療産業集積を目指して ~大阪総合医療都市構想とコロナ後の世界への発信~

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私たちは、「イノベーティブな医療産業集積を目指して」というテーマで4月初めから1月末まで研究活動を行った。新型コロナウイルスの世界的蔓延を受けて、私たちは日本の医療製品の海外依存度の高さに問題意識を持った。例えば、人工呼吸器の90%超は欧州・米国からの輸入に頼っている現状にあるが、今回のように世界規模で感染症が流行し、海外諸国からの輸入が滞ると、日本国内では深刻な供給不足が生じることとなり、「国民の生命安全保障」という観点から早急に自国での生産体制を整えていく必要があると考えたからだ。そこで、私たちは大阪北摂地域を拠点に医療研究・開発から医療品製造、そして医療サービスの提供までを一括して担える医療産業集積のモデルについて検討し、医療製品の域内調達率向上とそれに伴う地域経済の活性化を目標に研究を進めることにした。研究対象として大阪北摂地域を選択した理由は、この地域では既に国立循環器病研究センターを中心とした「北大阪健康医療都市(健都)」というプロジェクトが進行中であり、近接する彩都地区においても医療関連企業の進出拠点形成に向けた整備が行われていることから、まさに医療を中心としたまちづくりに適した地域であると考えたからだ。医療産業集積の構築にあたり、本研究では実際の医療現場を知り医療機器を使用する医学分野と、独自の先端技術やノウハウを持つ工学分野が連携して新たな医療機器を製造する医工連携に着目し、具体的にはITを用いた医療現場と製造企業のマッチングを提案するに至った。医療という分野は未だ収束の兆しが見えない新型コロナウイルス、そして我が国が直面する高齢化社会のどちらの問題にとっても強化すべき最重要部門であると言えるから、医療を軸としたまちづくりの在り方について今後も研究を重ねていきたい。