授業ルポ:ゼミナール
プレ演習(2年次ゼミ)
担当教員
竹廣 良司 教授
経済学部で学ぶ諸理論が現実とどのように対応しているのかが自分のなかでイメージできるようになって初めて、経済全体における個々の専門領域の重要性が見えてきます。
グループ研究を通して
自ら問題を見つけ分析し解決する力を培う
竹廣先生のプレ演習では事例を通じて企業の仕組みや行動を考察し、理論と実際について学びます。この演習の特徴はグループ単位で研究を行うこと。グループ研究のねらいの一つは自分の固定概念、思い込みを見直すことです。例えば企業間格差という言葉一つをとっても、どの程度の差を格差ととらえるかは一人ひとりイメージが異なります。他のメンバーと話し合いながら、自分と他人とのイメージが違うことに気づき、自分の考えを今一度検証することの大切さを学びます。
竹廣先生は、研究方法や分析方法について学生から求められてアドバイスをすることはあっても、こうしなさいという指示は出しません。自分たちの問題意識をはっきりさせ、問題のありかはどうすれば確認できるのかなど、失敗を含めて自分たちで試行錯誤し工夫していくことが大切だからです。固定観念が植え付けられるのを避けるため、あえてテキストを用いません。竹廣先生は「今の経済状況のなかで、それをもっとよくする方法を見つけ出していくのが経済学を学ぶ目的。理論を勉強しても現実の経済に対応づける力がなければ、実社会には生かせません。現実の経済に対して見聞を広め、現状を把握しながら自分で問題を見つけ、意見交換を通じて問題の本質を把握し、分析し解決していく力を培ってもらいたい」として、学生の主体的な学びの力が育つことを見守ります。
年度末の合宿ではグループ研究の総仕上げとして、最終成果報告を行います。この合宿で、自らの仮説や主張をデータを用いて分析し明らかにする力、先行研究と比較し批判的に検討する力を磨き、説得力あるプレゼンテーション技法を身につけ、次年度からは本格的な研究に取り組むことになります。
卒業論文テーマ例
- 人口減少社会における年金制度改革
―少子高齢化社会における年金制度の持続可能性と産出増加の重要性― - 持続可能な観光
―エコツーリズムを活用した京丹後市の地域力再生―1 - クリスタラーの中心地理論と住宅地図の変化による都市化の分析
- 有料音楽配信や違法ダウンロードがCD売上に及ぼす影響
- JR発足の効果に関する一考察
~周辺私鉄との経営指標の比較から~ - 総合商社の短期の株価と長期の業績
―M&Aのアナウンスメント効果― - 日本における芸術市場の拡大の可能性
- ポスト・グローバル・ミニマリズムの政治経済学
- 電子マネーは現金を凌駕するか
- 2020年東京オリンピック誘致構想とその経済波及効果について
- 中国の経済発展における銀行の役割
- 東南アジアのラストフロンティア
〜ミャンマーの今後の可能性〜