福岡 正章
専任教員紹介
福岡 正章 FUKUOKA Masaaki

研究テーマ | 東アジアの工業化 |
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研究室 | 良心館480号室 |
演習(ゼミ)紹介 | 東アジアの歴史と共通性―経済成長、人口、家族・親族制度 |
詳細 | 研究者データベース(オリジナルサイト) |
戦前、日本は、朝鮮や満洲(中国東北部)を支配しました。私は、その支配を美化したり賛美するつもりはありませんが、日本人の支配者は、支配した社会を日本と同じような形にできるだけ作り変えようとしました。その際、私的所有権、商法、株式取引所、商品取引所といった市場経済を支える制度が移植されました。また、戦前期には、今日とおなじように日本企業が、朝鮮や満洲に投資を行い、工業生産を行っていました。
私は、こうした市場経済を支える制度や工業がなぜ朝鮮や満洲で定着したのかということを研究しています。
学生へのメッセージ
できるだけたくさん本を読んでください。
演習(ゼミ)
演習テーマ:東アジアの歴史と共通性―経済成長、人口、家族・親族制度
東アジアは、経済成長という側面が注目されてきた。しかし、今日の東アジアでは、それぞれの社会で経済成長を制約しかねない共通の問題に直面している場合がある。一連の演習では、東アジアで共通する社会問題を取り上げ、その歴史的な起源や東アジア社会が持つ共通性について理解することを目的とする。
東アジアが抱える共通の問題とは、どのようなものがあるのであろうか。例をあげれば、急速な少子化の進展などである。また、日本や韓国では、単身世帯が夫婦と子供からなる標準世帯を上回るようになった。さらに、世間や身内とのつながりが断たれた「孤族」という言葉が日本で登場するようになった。東アジアは、家族制度の大きな転換期にあるといえるかもしれない。こうした現象を理解するためには、前近代に形成されてきた伝統的な家族・親族結合のありかたを理解する必要がある。「伝統的」なものといっても、東アジアにおいては、14~17世紀のあいだに形成されてきたものであり、超歴史的に存在していたわけではない。
本演習では、東アジアが抱える共通の問題として、少子化をとりあげる。まず、2年次演習では、中国、韓国、台湾、日本で人口がどのように変動し、人口の変動が経済成長にどのような意味をもったのかを検討する。さらに、3年次演習では、家族・親族制度の変化に着目し、それが長期的な人口の変動にどのような意味をもったのか、中国、韓国、日本の家族・親族制度の特徴は何であり、どのように形成されたのかなどを理解するように努める。
2年次演習 |
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現在の東アジアが共通して直面している問題に関して知見を深める。 [履修条件] |
3年次演習 |
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2年次演習の成果を踏まえ、その東アジア社会における諸問題の歴史的な把握につとめる。 [履修条件] |
卒業研究 |
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本演習では、日本や東アジアで生じている諸問題を歴史的に分析した卒業論文を執筆することとする。「歴史的」な分析とは、分析の時間軸を長期に設定することである。作業の進展具合の目安は、以下の通りである。 [履修条件] |
関連する科目
既修・併修を強く勧める科目
既修・併修が望ましい科目
- 世界経済史
- ヨーロッパ経済およびヨーロッパ経済史
- 中国経済および中国経済史
- アメリカ経済およびアメリカ経済史
- 比較社会経済および比較社会経済史
- アジア経済およびアジア経済史
関連する演習
菅 一城 | ヨーロッパ経済・社会の経験と課題 |
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横井 和彦 | 経済発展の日中比較―中国経済・企業の行方 |
角井 正幸 | アメリカにおける経済問題の実証的分析 |