角井 正幸
専任教員紹介
角井 正幸 TSUNOI Masayuki
研究テーマ | アメリカ経済史 |
---|---|
研究室 | 良心館482号室 |
演習(ゼミ)紹介 | アメリカにおける経済問題の実証分析 |
詳細 | 研究者データベース(オリジナルサイト) |
皆さんは、「歴史を学ぶ」とはどのようなものであるとイメージするでしょうか。歴史を学ぶための方法は様々ありますが、その中のひとつに経済理論や統計学の手法を応用する歴史分析法があります。これを私たちは、「クリオメトリックス」または「計量経済史」と呼んでいます。歴史上の出来事について考察するときにも、何らかの経済データが利用できる場合があります。それらを用いて歴史の一場面を自らの手で明らかにしていく作業はとても興味深いものです。
私は現在、この「計量経済史」という手法を分析道具として、19世紀合衆国の経済発展史を、特に農業部門とその西漸(合衆国の西方への拡大)に注目して研究を行っています。合衆国の歴史においても、またどこの国の経済においても農業は不可欠であり、かつ見逃してはならない部門です。私はこれまで、「合衆国の農村は平等社会であったのか?」であるとか、「合衆国の農産物市場は世界の市場に統合されていたのか?」といった問題について研究を行ってきました。これらの問いについて、計量経済史はひとつの答えを示してくれます。今後は、19世紀後半の合衆国の農村社会がどのように拡大し、変質していったのかについて分析したいと考えています。
現在合衆国は、あらゆる面で世界の中心に君臨しています。最近では、その合衆国のあり方について、見習うべきである点と批判されるべき点がよく議論されます。これまでの研究を通じて、国際社会から批判されている合衆国の突出した行動の根元が、実は、西部開拓史の時代にあるということがわかってきました。「歴史を学ぶ」ことによって、現代を生きる私たちにとって必要な考え方を見つけることが私の研究の最終目標です。
学生へのメッセージ
これからの4年間で、あなたには何ができるでしょうか。すでに目標を定めている人は、その目標に向かって4年間を有意義に過ごしてください。まだ目標を定めていない人は、まず自分自身と向き合い、目標を見つけてください。卒業するときに、今よりも成長した皆さんの姿を見ることが私たちの喜びです。
演習(ゼミ)
演習テーマ:アメリカにおける経済問題の実証分析
当ゼミでは、4年次の卒業研究作成という目標に向けて、各学年のゼミ活動に取り組むよう期待する。そのため、いずれの学年の活動においても学生各自の主体的なゼミ活動への参加と、ゼミの内容に対する積極的な提案を義務とする。
2年次演習では、「データから見るアメリカ経済」をテーマとして、データをもとにしたアメリカ経済の把握を中心に行う。その際、データによる現状把握にとどまらず、歴史データによるアメリカ史理解をも対象とする。
3年次演習(春学期)では、「文献に学ぶアメリカ経済」をテーマとし、文献購読を中心に行う。3年次演習の後半(秋学期)には、自らの問題意識や卒業研究のテーマなどを明らかにする。
卒業研究では、個々の問題意識に基づくテーマに沿った研究報告を中心とし、卒業研究の内容を深化させることを目的とした論文指導を行う。
以上のゼミ活動は、広く国際舞台で活躍しうる人物の育成を主眼としている。
2年次演習 |
---|
「2年次演習」では、データにもとづくアメリカ経済の把握を行う。いくつかの提示されたデータから適確な状況の読み取りを行うことに加えて、各自がデータの取得を行い、そのデータの分析・考察を行う。 [履修条件] |
3年次演習 |
---|
「3年次演習1」(春学期)では、文献の輪読を通じてアメリカ理解を深化させることを目標とする。 [履修条件] |
卒業研究 |
---|
1月の「卒業研究」提出に向けて、繰り返し論文指導および報告を行う。 [履修条件] |
関連する科目
既修・併修を強く勧める科目
- アメリカ経済
- アメリカ経済史
既修・併修が望ましい科目
- 世界経済史
- ヨーロッパ経済およびヨーロッパ経済史
- 中国経済および中国経済史
- 比較社会経済および比較社会経済史
- アジア経済およびアジア経済史
関連する演習
菅 一城 | 知識・制度・成長――ヨーロッパの視点から見る経済・社会―― |
---|---|
横井 和彦 | 経済発展の日中比較―中国経済・企業の行方 |
福岡 正章 | 東アジアの歴史と共通性―経済成長、人口、家族・親族制度 |
長澤 勢理香 | 比較史から考える |
大谷 実 | 周縁から捉える社会と経済:歴史・現在・未来 |