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谷村 智輝

専任教員紹介

谷村 智輝 TANIMURA Tomoki

谷村 智輝
研究テーマ 現代資本主義の循環と構造変化
研究室 良心館464号室
演習(ゼミ)紹介 グローバル資本主義と日本経済:グローバル化の進展と長期停滞
詳細 研究者データベース(オリジナルサイト)

私たちの経済社会をひと言で表現するなら、「資本主義」だと言えます。では、資本主義とはいったい何でしょう?この問いに答えるとき、経済社会の中心的な登場人物が「企業」であるということに注目することができます。例えば、私たちが毎日消費するモノやサービスの大半は、企業の生産物です。また、大多数の人々は企業に雇用されてお金を稼ぎ、そのお金でこれらを買うのです。こうしたことから言っても、私たちの生きている社会について考えるとき、企業活動に注視することは極めて重要なのです。

さて、企業の行動目的は、儲けることです。そのために、各企業は自らの規模を拡大したり生産方法や生産物の質を高めたりします。しかも、他の企業とも関連し合い競争し合いながら生産や販売に関する様々な意志決定を行います。そして、このような活動それ自身が、好況や不況という経済の循環的な変化をもたらすと考えられます。また企業行動の変化のなかで、私たちの働き方 ―「生き方」といっても過言ではないでしょう― が変わっていくのです。私の研究の主たるテーマは、資本主義経済のメカニズムを明らかにすること、とくに企業行動の変化と景気の変動との関連を問うことです。

さて、企業の行動範囲はグローバル化しています。そこで、日系企業のグローバルな競争とそれにともなう私たちの生活の変化ということが、私の研究のもう一方の柱です。企業活動のグローバル化の具体的な中身は何であり、どのように変化してきているのでしょう?そもそもグローバル化とはいったい何でしょう?考えるべき問題は少なくありません。これらをひとつひとつ解決することで、私たちが生きている社会の実像に迫りたいと思っています。

学生へのメッセージ

4年間という時間をどう使うか、それをみずから決めることができる自由が、皆さんには与えられています。そしていまや、何処で学ぶかが問われているのではなくて、何を学ぶかが問われているのです。

演習(ゼミ)

演習テーマ:グローバル資本主義と日本経済:グローバル化の進展と長期停滞


 日本をはじめ先進資本主義諸国は,現在,経済成長の長期的な停滞、新しいテクノロジーと人間の競争、所得格差の拡大,自然環境との調和といった諸問題に直面しています。こうした問題は,しばしば「資本主義」と結びつけて論じられ、「資本主義」の見なおしと「新しい資本主義」の構築が望まれたりします。
 では,そもそも資本主義とは何か,また,資本主義の本質的な性格とこうした現代の諸問題とはどのような関連を持つのか,必ずしも明確であるとはいえません。
 この演習では、「資本主義」の基本的な意味を理解し、資本主義の現代的な特徴をつかむことを目指します。
 演習では、特に「企業活動のグローバル化」と「経済の長期的な停滞」に注目します。その理由は次の点です。第一に、現代の資本主義はグローバルな広がりを持った「グローバル資本主義」です。では、「グローバル化」とは何を意味するでしょう。そこに問題のカギがあります。第二に、資本主義は企業や経済全体の「成長」を自己目的とする点に特徴がありますが、日本の産業競争力の低下や経済の長期停滞が問題になっています。その一方で、グローバルに活躍する企業は、大幅な利益の蓄積が進んでいます。なぜ、そのような状況が生まれているのでしょう?この演習では、こうした問いを検討するために、いくつかの文献を取り上げて、クラス全体で検討していきます。
 「資本主義」の中心的プレイヤーは企業(=資本)です。そこで、企業や産業の現状を理解することが大切です。実際、これまでもゼミでは企業の方々を招いて講演をお願いしたり実際にいくつか企業を訪問し生産の現場を見たりして、学んだ事柄をさらに深めてきました。また、企業パフォーマンスの状況を分析したりすることによって、資本主義の現状をより具体的に理解することも興味深いことです。
 もちろん、こうした活動の前提として、それぞれの問題意識が明確である必要があります。受講生の皆さん自身が具体的に検討テーマを掲げ、試行錯誤や改良を重ねて、有意義で刺激的な活動にしていただきたいと思います。


2年次演習

2年次演習では、第一に、「グローバル資本主義の基礎的な理解」、第二に、「日本経済の現状と問題点」について理解することを目指します。とくに、「日本企業の東アジア国際分業」、「グローバル資本主義と日本経済の停滞」に焦点を当てます。

〈2025年度に用いたテキスト〉

(1)「急回復したインバウンドと変動する貿易収支」
(2)「日本企業の競争力低下と回復のための課題」
(大守隆・増島稔編(2025)『日本経済読本』(第23版)東洋経済新報社、所収)

(3)「対外投資と生産のグローバル化:何がグローバル化を突き動かしているのか」
(4)「日本経済の現状と行方:アベノミクスと負の遺産」
(山本和人・鳥谷一生(2023)『世界経済論』(第2版)ミネルヴァ書房、所収)

(5)河野龍太郎(2025)『日本経済の死角:収奪的にシステムを解き明かす』ちくま新書

〈研究の技法を学ぶ〉
 2年次演習では、(ア)「資料の探し方・活かし方」、(イ)「レポート・論文の作成方法」、(ウ)「プレゼンテーションの技術」、(エ)「グループワークのすすめ方」といった研究活動の基本的な技法について、あらためて学びます。そのさい、企業人の力を借りるなど、社会とのつながりも意識してすすめます。


[履修条件]

3年次演習

 3年次演習では、2年生に引き続き「グローバル資本主義と日本経済の停滞」についてさらに検討を深めます。そのなかで、「新しい資本主義」、「産業構造の転換」、「所得格差」、「積極的労働市場政策」などについて考えます。

〈2025年度に用いたテキスト〉

(1)河野龍太郎(2025)『日本経済の死角:収奪的にシステムを解き明かす』ちくま新書

(2)諸富徹(2020)『資本主義の新しい形』岩波書店

〈自分の「テーマ」を持つ〉
 秋学期の後半から、自己の研究テーマを設定し、その研究に着手します。それらを4年次の「卒業研究」につなげていきます。

〈その他〉
 なお、2026年度の3年次演習では、約1年間をかけて企業・産業の現状分析をグループですすめる予定です。それによって、資本主義の中心的プレイヤーである企業活動そして各企業が所属する産業の現状と直面する課題を具体的に理解することができます。また、財務データの意味や見方を知る機会になればと思います


[履修条件]

卒業研究
4年次では、これまでのゼミでの学びを深めるとともに自分自身で問題を打ち立てこれを具体的に検討する、卒業研究の執筆が主要な活動になります。具体的なことは、受講生と相談のうえ、決めていくことになります。

春学期

・卒業研究テーマと研究計画についてのプレゼンテーション
・卒業研究テーマに関する基本文献についてのプレゼンテーション

秋学期

・3年次演習との合同ゼミの実施
・卒業研究中間報告
・卒業研究最終報告

[履修条件]

関連する科目

既修・併修を強く勧める科目
  • 経済学の歴史
  • 経済史
  • 政治経済学
  • 現代資本主義
  • 社会政策
既修・併修が望ましい科目
  • 国際政治経済
  • 現代経済思想史
  • 経済思想史
  • アジア経済
  • アメリカ経済
  • ヨーロッパ経済
  • 日本経済史
  • 京都経済史
  • 世界経済史
  • 社会政策
履修を勧める2年次演習関連科目
履修を勧める3年次演習関連科目

関連する演習

学生による「私のゼミ紹介」

◆授業内容について

 谷村ゼミでは、「グローバル資本主義の現状とそのゆくえ」という演習テーマを揚げて日々学んでいます。2年生次演習と3年次演習では、グローバル資本主義の基礎的な理解からその現状、問題について文献をもとにグループで発表します。また、発表内容の中からテーマを作りディスカッションを行います。3年生秋学期の後半からはそれまで獲得してきた知識を利用して、個人単位やグループ単位でテーマを設定して研究します。4年生では「卒業研究」として論文を作成します。

 2025年度の2年次演習の授業内容を振り返ります。
 主なゼミ活動は、テキストをもとに、グループに分かれ調べて考えたことをまとめ発表を行うことです。グループ発表の準備として、複数回サブゼミを行い、「グループ全体、そして個々人が、発表を通して何を伝えたいのか」を意識しながら、グループで何度も話し合い様々な文献を参考に発表内容を作り上げていきます。発表後は、聞き手に考えを深めてもらうための工夫としてディスカッションのテーマを提示し討論を行います。また、谷村先生とSA(Student Assistant)の先輩方からフィードバックがあり、発表内容や討論で気づいた点や改善すべき点を教えていただきます。この時間は発表した側だけでなく、聞く側にも学びがあり、その後の発表をより良いものにしていくために有意義な時間です。

◆「ゼミ合宿」について

 昨年の2年次演習では、12月上旬に滋賀県にある「同志社びわこリトリートセンター」でゼミ合宿を行いました。合宿では実際に社会で活躍されている企業人をお招きして講義とワークショップを実施し、夜には皆で懇親会をひらいてとても充実した時間を過ごすことができました。
 ワークショップの内容としては、6つのグループに分かれて、企業経営のシュミレーションゲームに取り組みました。グループ全体の利益を増加させるために、自分自身の判断や行動がチームの成果にどう影響するかを客観的にとらえる体験をしました。このワークを通じて、グループ活動で大切なことは何か、自分の強みやグループに貢献できる点は何か、自分の適性を深く理解することができました。こうした体験は、ゼミでのグループ活動に有意義であるうえに、今後のキャリア形成における明確な指針を得ることに役立ったと思います。
 また、夜の懇親会ではゼミ生同士だけでなく谷村先生とゼミ生の良い関係性を築くとても楽しい時間を過ごすことができました。1泊2日と短い時間ではありましたが、とても充実したゼミ合宿でした。

◆「ゼミ生の日」について

 谷村ゼミには、学期毎に1回、ゼミ生が主体となって企画したことに授業時間を使える「ゼミ生の日」があります。昨年の2年次演習では、ゼミ生同士の交流を深めるためにバーベキューを開催しました。普段の授業では見られないゼミ生の一面を知ることができ、より親睦を深める良い機会となりました。
 ゼミ生同士で楽しむ機会を与えられていることは、勉強のモチベーションアップにも繋がっていると感じます。私たちのゼミは、勉強も遊びも全力で取り組みたい方には、とても魅力的なゼミだと思います。